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真壁高生 ヤマザクラ樹勢調査 茨城・桜川の磯部桜川公園 回復に「施肥効果」

大塚秀喜市長(中央)らにヤマザクラ調査報告書を手渡す県立真壁高生徒(左)=桜川市岩瀬庁者
大塚秀喜市長(中央)らにヤマザクラ調査報告書を手渡す県立真壁高生徒(左)=桜川市岩瀬庁者


ヤマザクラの名勝地として知られる茨城県桜川市磯部の磯部桜川公園と桜川磯部稲村神社の景観を守ろうと、県立真壁高(同市)の生徒による調査報告会が8日、同市岩瀬庁舎で開かれた。同校2年生6人が、2021年度に取り組んだ公園内のサクラ114本の「初期診断書」を含む報告書(A4判約120ページ)を、大塚秀喜市長や磯部亮宮司(63)らに手渡した。

調査のサクラ114本のうち、「異常あり」が39本、「できるだけ早い処置」を求められる木が20本、「枯れ木」が5本などと診断された。一方、20年度から始まった施肥を軸とする「治療」の明らかな効果が報告され、回復に向けた展望も示された。

樹勢の衰えの要因は、山地などの自然界と異なる都市公園のために栄養分が不足しがちな点が指摘されている。生徒を指導した樹木医の古谷孝行さん(53)=古河市=は「効果が如実に出ている。全体的にやるのは難しいと思うが、残さなければならない大切なものを優先的にできれば、よくなっていくと実感している」と強調した。

参加した生徒は、いずれも同校環境緑地科2年の竹内蓮さん(16)、斎藤佑さん(17)、直井優大さん(17)、影澤祐樹さん(17)、仁平真都さん(17)、田中ドンディさん(17)の6人。10~12月に計6回調査し、サクラの樹高や幹回りの太さ、病害虫や腐朽などを1本ずつ確認、それぞれ初期診断の「カルテ」を作成した。

同公園(4万3158平方メートル)と同神社境内・参道には約600本のサクラがあり、うち約300本が「桜川のサクラ」として国の天然記念物に指定されている。同校は16年度から、市との連携協定に基づき、授業の一環として調査を開始。6回目の本年度調査分を含め、計438本の初期診断を終えた。同市の市民でもある斎藤さんは「少しでも地域貢献ができたことを大変うれしく思う。私たちの後輩たちがこの活動を引き継ぎ、ヤマザクラを守っていってほしい」と調査の感想を話した。大塚市長は「皆さんに実施していただいた調査は、市ヤマザクラ保全活用計画の実現に向け、大変貴重な重要な役割を担っており、大きな力になっている。今後とも、ご協力をたまわりたい」と感謝した。



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