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《解説》茨城・阿見町長選 丁寧な説明と民意集約を

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茨城県阿見町長選は15日、現職の千葉繁氏が無投票で2回目の当選を果たした。同町長選が無投票となったのは2006年以来16年ぶり。水面下では対抗馬擁立の動きもあったが、千葉氏の1期目の政策が一定の評価を得たとみられる。同町は若年層の人口が増加する地域と、少子高齢化が進む地域の二極化が進む。幅広い年齢の住民が住みやすい町づくりに向け、今後の政策の実行には、住民への丁寧な説明と民意の集約が求められる。

18年の前回町長選では、「道の駅整備事業」の進退が大きな争点となった。千葉氏は同事業の凍結・再検討を掲げて初当選。有識者で構成する同事業検証委員会による検証を経て、昨年7月に社会環境の変化や財政圧迫の懸念を理由に、中止を決定した。

今回の無投票当選は公約を着実に達成した1期目の評価と、後援会組織の後押しの結果とみられる。

一方で、定住策や、町内の周遊につながる地域活性化など、町政の課題は山積みだ。中止となった道の駅事業についても、同町追原に購入済みの土地の利活用方法がまだ決まっていない。

また、町政の指針となる「町第6次総合計画」(14年策定)が、23年で最終年を迎える。町の人口は増加傾向にあり、町から市への移行要件の一つ「人口5万人」も見えてくる。町は来年度から、総合計画策定の準備に入る。幅広い年齢層の住民の意見を聞き入れ、次の10年を見据えた町のかじ取りを行う行政手腕が問われている。



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