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元茨城キリスト教大教授・渡辺さん 茨城のサケ料理学ぶ 水戸で講演会

ひたちなか市の那珂湊地区や筑西市の一部の家庭で食べられる「塩引き餅」について解説する渡辺敦子さん=水戸市三の丸
ひたちなか市の那珂湊地区や筑西市の一部の家庭で食べられる「塩引き餅」について解説する渡辺敦子さん=水戸市三の丸


■すみつかれ、塩引き餅解説

伝統的なサケ料理について理解を深めようと、水戸市の市民グループ「水戸まちづくりの会」(藤田絹代会長)は12日、元茨城キリスト教大教授の渡辺敦子さんを招き、同市三の丸の水戸生涯学習センターで講演会を開いた。渡辺さんは「伝え継ぎたい茨城の鮭(さけ)料理」と題し、「すみつかれ」と「塩引き餅」について、歴史や作り方などを解説した。

同会は、水戸城下町時代の歴史的な遺産を再発見し、まちづくりに生かすことを目的に活動。現在は「サケ」をテーマにした講座を展開している。

渡辺さんは、すみつかれについて、全国の郷土料理の中でも古い料理で、起源は平安時代にさかのぼると紹介。粗くおろしたダイコンやニンジン、酒かす、塩サケの頭などを煮込み、栃木県から茨城県の県西地域に根付き、節分後の初午(はつうま)の時期に食べる習慣があると紹介。近所で分け合う習わしや、「7軒からもらって食べると病気にならない」という逸話も説明した。

塩引き餅は「しょーびき餅」などと呼ばれ、サケが遡上(そじょう)する那珂川の河口にあるひたちなか市の那珂湊地区や筑西市の一部の家庭で食べられている正月料理だが、「発祥や由来はよく分かっていない」と述べた。餅に塩引きサケを柏(かしわ)餅のようにはさんで食べ、ほどよい塩加減が餅のうまさを引き立てると紹介。

渡辺さんは、伝統料理について「作り方や味付けが変化しても、これからも残っていく。食文化を伝え続けていくためにも皆さんに食べてもらいたい」と呼び掛けた。

参加した水戸市の大内晴江さん(72)は「茨城の食文化の多彩さについて触れた。独自の文化があって興味深い講演会だった」と感想を述べた。

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