新型コロナワクチン 茨城県内で小児接種始まる 常総皮切り 5~11歳、対象16万7000人
新型コロナウイルスワクチンの5~11歳の子どもへの接種が5日、茨城県常総市を皮切りに県内でも始まった。県内の対象者は約16万7千人。流行「第6波」で子どもの感染事例が増える中、6日には県の大規模会場で基礎疾患のある子どもへの優先接種が開始。7日には水戸市やひたちなか市でも始まるなど、各地で今月から小児接種が本格化する。
■ネットで調べて
小児用ワクチンは米ファイザー製。12歳以上が打つ量の3分の1で、3週間の間隔を空けて2回打つ。保護者の同意と立ち会いが必要になる。
常総市では初日の5日、10、11歳の計100人が接種を受けた。接種会場のきぬ医師会病院(同市新井木町)には午後1時すぎから、接種を希望する子どもと保護者が続々と訪れた。
接種を受けた小学5年、飯田史弦(しげん)君(11)は副反応などをインターネットで調べた上で接種を決めたという。母親のマヤさん(41)は「祖父母と同居しているので家庭内感染を予防したかった。早めに打ててよかった」と安心した様子だった。
同病院は市内で唯一、小児科がある。市は打ち手として筑波大病院の小児科医にも応援を依頼している。問診はきぬ医師会の医師が交代で務める。市保健推進課の石島均課長は「昨年12月から準備を進めてきた。計画通り進んでおり、ほっとしている」と話した。
市内の対象者は約3800人。3月中の接種は2回目を含め300人分の枠を設け、6日にも10、11歳の200人が接種を予定する。4月には9、10歳を対象に接種を行う計画。
■ピークは4月以降
県によると、県内へのワクチン配送は2月下旬に始まり、今月までに対象者の2割分を確保。4月からは供給量が増え、5月上旬までに対象者の約8割分が届くことから、ピークは4月以降を見込む。
10、11歳から始めた常総市に対し、7日開始の水戸市は感染対策が難しい5、6歳を優先。今月中旬までの接種枠約980人のうち、4日夕時点で約4割の空きがある状況という。
6日から呼吸器疾患など重症化リスクのある小児の優先接種を行う県の大規模会場も、水戸、牛久両会場を合計した初日の予約率は約5割で、県は13、20両日(1回目接種)の接種枠も引き続き予約を受け付けている。
県内の4日まで1週間の感染者9421人のうち、10歳未満の割合は18.8%で最も多く、10代と合わせると全体の3割強に上る。保育施設や小学校などでのクラスター(感染者集団)も依然多い。
ただ感染しても軽症が多いことなどから、国は5~11歳の接種について予防接種法の「努力義務」とはしていない。県は「予防効果と副反応のリスクの両方を理解した上で判断してほしい」としている。