新型コロナ 茨城、まん延防止解除要請 大井川知事 医療負荷が軽減傾向 21日期限
茨城県の大井川和彦知事は15日、臨時会見し、21日に適用期限を迎える新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置について、政府に解除を要請したと発表した。茨城県は1月27日に適用となり、2度にわたって延長されていた。政府は茨城県の要請を踏まえ、解除するか近く決定する見通し。県内の新規陽性者数は高止まりしているが、医療機関への負荷が軽減傾向にあることや、さらに延長した場合の社会経済活動に与える影響などを総合的に判断した。解除されれば、飲食店の営業時間短縮要請や県民への行動制限もほとんどなくなる。
会見で大井川知事は「県内の感染は非常に難しい状況にある」と述べ、最近の新規感染者数が微増か横ばいにある状況を説明。ただ、新規感染者の多くは「20歳未満と分析できている」と説明するとともに、ワクチン3回目接種が進む高齢者の感染は減少傾向が継続し、病床稼働数も2月下旬から減り続けていることを解除要請の判断材料として挙げた。重点措置終了の基準に関し、国の分科会も「医療への負荷」を重視する考え方を示している。
ピーク時(2月24日)に430床だった病床稼働数は、今月14日に290床(3割減)となり、病床稼働率も33%まで低下した。
重点措置が解除されれば、感染リスクの高い場所への外出・移動の自粛▽会食時の人数制限▽飲食店の営業時短要請▽小学校のリモート学習などの要請-など県民への行動要請を県内全域で解除する。
行動制限を緩和する一方で、新規陽性者数が増加する保育所や幼稚園、小学校の対策は強化する。検査キット不足などで2月5日から一時停止していた「濃厚接触者以外も対象とした検査」を16日以降に再開。未就学児・児童の感染拡大を防ぐ構えだ。
県内の感染初確認から17日で2年。大井川知事は「実態を把握できない中、対策を手探りで実施してきた」と振り返り、「デルタ株にある程度効果があった対策もオミクロン株では効果が薄れてきた。飲食店の営業時間短縮などは意味がなくなってきており、最大の対策はワクチン接種になる」との考えを示した。
また、事業停止していた、県内旅行を支援する「いば旅あんしん割」は16日から予約を再開。対象期間は22~31日宿泊分とし、支援対象は「ワクチン3回目接種済み」か「検査で陰性」の県民に限定するとした。
★まん延防止等重点措置
新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための措置で、より強い行動制限を伴う緊急事態宣言に準じる。昨年2月施行の改正特別措置法に新設された。首相が専門家の意見を踏まえ、都道府県単位で対象地域と期間を定める。知事は市区町村単位で、飲食店に営業時間短縮などを命じる権限を持ち、応じなければ過料を科すことも可能とした。