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新型コロナ まん延防止、21日期限 飲食店、歓迎と不安 茨城県内感染者高止まり

感染防止用の透明シート越しに接客する尾平浩美さん。時短営業中だが、22日から通常営業に戻す=土浦市桜町
感染防止用の透明シート越しに接客する尾平浩美さん。時短営業中だが、22日から通常営業に戻す=土浦市桜町


■「客足戻るのか」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、まん延防止等重点措置が21日を期限に、茨城県を含む全国18都道府県で一斉に解除される。時短営業を続けてきた県内の飲食店では「やっと正常化できる」と歓迎の声が上がる。ただ、県内では1日当たりの感染者数は千人超と高止まりしており、関係者は措置の効果に疑問を呈し、解除後も「客足が戻るのか」と不安を口にする。経営者らは感染対策を続けながら、通常営業へかじを切ることに複雑な思いをのぞかせる。

■時短営業
「やっと営業が正常になる。でもすぐお客さんが戻るとは思えない」

県内最大級の繁華街、土浦市桜町。飲食ビル「つちうら横丁」にある居酒屋「和み処 なにぬねの」の経営者、尾平浩美さんは期待と不安が入り交じる思いを語った。

同店の通常営業は午後5時半~11時。現在はまん延防止措置のため、同9時の閉店と時短営業を続けている。3年前に開店したが、軌道に乗りかけたところで2年目からコロナ禍に見舞われた。店独自のイベントを開けず、提携ホテルの新規客を断らざるを得ない状況が続いた。出張客も減り、地元客に何とか支えられている。

常連客の男性(65)は「8時や9時で帰るのでは落ち着いて飲めない。(措置が)解除されればゆっくりできる」と歓迎する。別の男性(68)は「店はほっとできる場所。ワクチン接種や感染対策で店を応援していければ」と見据える。尾平さんは「お客さんもずっと我慢している。来てくれる人のために前向きにやっていきたい」と笑顔を見せた。

■協力金で補てん
同ビル内のおでん店「おでんや こばん」で接客する阪口結香さんも「人通りが戻らず厳しさは変わらないが、少しでもお客さんが戻ってくれれば」と期待感を示した。

同ビルでは、テナントが緊急事態宣言やまん延防止措置に伴い休業や時短を繰り返してきた。各店は時短や休業に合わせ、協力金を申請し、減収分を埋め合わせている。今後、テナント全体の会議や研修などにも力を入れたい考えだ。

■忍耐強く
しかし県内の新型コロナの1日当たりの感染者数は、依然千人を超え、大きく減る状況には至っていない。

飲食店関係者は「正直今までの休業や時短は何だったのか。休んでない店もあった。協力金を得ても痛しかゆしのところはある」と唇をかむ。土浦商工会議所の関係者は、飲食店だけでなく、取引先やタクシー、代行業者まで、派生する業界も疲弊していると指摘。「感染抑制は願っているが、経済を回すための政府の方向転換もやむを得ない」と本音をにじませる。

同ビル運営会社の塚崎雅之社長は「しっかりルールを守って忍耐強くやるしかない。小さな力を皆で集め、お客さんが安心できる接客をして、復活に向け取り組みたい」と強調した。

【写真説明】
感染防止用の透明シート越しに接客する尾平浩美さん。時短営業中だが、22日から通常営業に戻す=土浦市桜町



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