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板谷波山展開幕 美の最高峰180点

展覧会での公開が107年ぶりとされる「彩磁紫陽花模様花瓶」を見る孫の板谷駿一さん(右)=15日、筑西市丙のしもだて美術館
展覧会での公開が107年ぶりとされる「彩磁紫陽花模様花瓶」を見る孫の板谷駿一さん(右)=15日、筑西市丙のしもだて美術館
板谷波山の生誕150年記念展を祝い、テープカットする関係者=15日、筑西市丙のしもだて美術館
板谷波山の生誕150年記念展を祝い、テープカットする関係者=15日、筑西市丙のしもだて美術館


文化勲章を受章した茨城県筑西市出身の陶芸家、板谷波山の生誕150年を記念した展覧会「板谷波山の陶芸-麗しき作品と生涯」が16日、開幕する。市内のしもだて美術館、板谷波山記念館、廣澤美術館で同時開催される。開幕前日の15日、3館で内覧会があり、波山の代表作約180点とゆかりの品々が一足早く報道陣に公開された。

しもだて美術館には、国指定重要文化財の「葆光彩磁珍果文花瓶(ほこうさいじちんかもんかびん)」や、107年ぶりの展覧会公開とされる「彩磁(さいじ)紫陽花(あじさい)模様(もよう)花瓶(かびん)」など全国の名品が勢ぞろい。完成までの苦労を伝える陶片なども展示された。

関係者による同館会場のテープカットには約70人が出席。須藤茂市長は「波山先生の素晴らしさを発信し続けることは、先生が生まれ育ち、終生愛し続けた市の使命」とあいさつ。波山の孫で波山先生記念会理事長の板谷駿一さん(81)は「没後随分たっても皆さんが作品を見てくれる。幸せなことだ」と述べた。

このほか廣澤美術館では高さ約78センチの大作「彩磁蕗葉文大花瓶(さいじふきはもんだいかびん)」が圧巻の存在感を放った。板谷波山記念館には郷里の人たちに贈った鳩杖(はとづえ)や観音像が一堂に並び、思いやりあふれる波山の人柄が紹介されている。

同展を監修した波山研究の第一人者、荒川正明学習院大教授(60)は「これだけの名品が集まる機会はない。表現や文様、色など美の最高峰に触れ、人生の糧にしてもらえれば、うれしい」と話した。

6月19日まで。問い合わせは、しもだて美術館(電)0296(23)1601。

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