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茨城森林管理署 大苗植栽 下刈り軽減 笠間で現地検討会

通常よりも大きなスギの苗木を植える現地検討会の参加者=笠間市平町
通常よりも大きなスギの苗木を植える現地検討会の参加者=笠間市平町


■コストと育成期間課題
茨城森林管理署(金谷範導署長)は19日、夏の酷暑時や急傾斜地での作業が多い植林後の下刈りの負担軽減を図ろうと、大苗の植栽効果を探る現地検討会を、笠間市平町の国有林で開いた。林業関係者約80人が、下刈りの回数や作業時間などを抑える目的で、高さ約45センチの通常の苗木よりも大きい、高さ約100センチのスギの大苗約200本を植えた。

植林では、成長した下草が苗木を日照不足に陥らせないよう下刈りが必要とされるが、林業従事者の重い負担になっている。

同日は同署員が最初に大苗の植栽を実演し、続いて参加者が同所の山林約1.33ヘクタールのうち、約0.2ヘクタールに大苗を植えた。風で倒れないよう添え木も用いた。このほか、県森林組合連合会と森林総合研究所、電動自転車製造のコウメイ(兵庫県)が共同開発した、苗木を運搬する「電動クローラ一輪運搬車」の実証試験も行った。

大苗を生育した県林業種苗協同組合によると、大苗の植栽により、従事者の負担は軽くなる利点がある一方で、苗の育成にコストが約2倍必要とされる。また通常の苗は2年間生育されたものだが、高さ約100センチの大苗に育てるには3年が必要だという。

同組合青年部の飯塚聖二さんは「下刈りの省力化と苗生育の負担増の具合をどう捉えるかが、大苗植栽の普及につながるかの鍵になる」と指摘した。金谷署長は「苗生育の初期段階から、関係者が一貫して下刈りの省力化に向け協力できた」と手応えをにじませた。



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