第104回全国高校野球選手権茨城大会1回戦【戦評】取手二 ― 水戸農
■取手二、激戦制す 八回一挙7点
【評】取手二が水戸農との激闘を制した。4点差を追う八回、渡辺の左前2点打などで1点差とすると、四球を挟み、宮尾、山中、和田内も適時打で続いた。この回だけで打者12人を送り込み一挙7点を奪った。九回にも再び宮尾の左翼線への適時打で2点を加え、試合を決めた。
水戸農は、終盤の相手の勢いを止められなかった。14残塁の逸機も響いた。
◇ノーブルホーム水戸=第3試合
▽1回戦
取手二 003001072|13
水戸農 201400102|10
(取)小森、宮尾-岩井
(水)所、小沼、所、和田-軍司
▽三塁打 軍司(水)
▽二塁打 軍司(水)
▽暴投 小森(取)、所2、小沼、和田(水)
▽試合時間 3時間16分
▽審判 加藤、井坂、米川史、佐藤駿
■「次につなぐ」終盤猛攻
「俺たちは後半に強いから大丈夫」。終盤で4点を追う厳しい展開にも、取手二ナインは誰も下を向いていなかった。八、九回の2イニングで9点を奪う執念の逆転劇に、下田和彦監督(55)は「選手たちが本当に強くなった。自分の想像を超える躍動ぶりだった」と興奮気味に語った。
試合が大きく動いたのは、4-8で迎えた八回だった。先頭の和田内玲汰(2年)の中前打を皮切りに打線がつながり、2本の適時打などで1点差まで迫った。なおも2死一、二塁の好機に打席は4番宮尾陸都(同)。「とにかく次につなごう」と、指2本分短く持ったバットをコンパクトに振り抜き、左前に同点打を放った。
4番が仕事を果たした後は主将の番だ。2死一、二塁の一打逆転の場面で、5番山中遥大主将(3年)が放った打球はふらふらっと舞い上がり、左翼手と三塁手の間にポトリと落ちた。執念の逆転打に山中主将は「気持ちでしかなかった」と振り返った。
「勝つ伝統を取り戻そう」と、下田監督の案で昨夏の大会後から伝統のユニホームのデザインを一新。だが、チームはうまくかみ合わず、5月ごろまで終盤の逆転負けを繰り返していたという。この状況を打破しようと、チーム全員が自分の役割にしっかり徹することに意識を集中した。すると徐々にチームの一体感が増し始め、ついに本番の舞台で花開いた。
試合後、下田監督は「強い取手二高を取り戻すため、きょうはまずその第一歩だ」と胸を張り、山中主将は「すごく大きい勝利。次も勝つ」と力強く語った。
■水戸農・所、力尽く 勢い止められず
○…水戸農は4点リードで迎えた八回に7失点を喫して試合をひっくり返された。エースの所優作(3年)は「相手が後半から盛り上がってきて、雰囲気に負けてしまった」とうつむいた。
力のある直球と気迫あふれる投球が持ち味。一方、変化球の制球が課題で、八回はストライクを取りに行く直球を狙われた。焦りから直球のコースが甘くなり、また打たれる悪循環にはまり、勢いづく相手を止められなかった。「(八回の)どこかで踏ん張れれば、7点も取られなかった」と悔やんだ。
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