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海洋放出 反対44%、賛成35% 若年層、女性が慎重 茨城新聞世論調査

世論調査 処理水海洋放出の賛否
世論調査 処理水海洋放出の賛否


■50代、賛成上回る
参院選に合わせ、茨城新聞社が県内有権者を対象に行った世論調査で、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に「反対」と答えた人は回答者の44.3%に上り、「賛成」の35.5%を上回った。「分からない・無回答」は20.2%。年代・性別では、男女とも30代以下の若年層で反対が賛成を大きく上回り、女性は全世代で反対が上回った。若年層と女性を中心に、依然として海洋放出に慎重な県民感情が浮き彫りになった。

福島第1原発の処理水の海洋放出を巡る質問は、国政選挙のたびに実施している世論調査の中で初めて加えられた。

調査では、処理水の海洋放出について、「賛成」「反対」「分からない・無回答」を選択してもらった。

性別では、男性は賛成45.7%、反対38.7%と賛成が多く、逆に女性は賛成25.5%、反対49.8%と反対が多かった。

年代別では、賛成が上回ったのは50代のみで、ほかの年代は全て反対が上回った。最も反対が多かったのは29歳以下で58.9%。男女年代別では40代女性が反対61.3%と最多だった。一方、賛成が最も多かったのは50代男性で58.2%。

地域別では、日立市やひたちなか市などの県北・県央地域、神栖市や鹿嶋市などの鹿行地域など、漁業者が多い沿岸部を中心に反対が上回る結果。一方、水戸市や笠間市など県央地域などは賛成が多かった。

支持政党別では、賛成の割合が反対を上回ったのは、日本維新の会59.4%(反対30.9%)、国民民主党51.8%(反対27.6%)、自民党42.8%(反対40.6%)。

一方、反対が上回った支持層は、れいわ新選組81.1%(賛成18.9%)、NHK党75.2%(賛成12.3%)、共産党72.8%(賛成22.9%)、立憲民主党51.3%(賛成36.1%)、公明党47.0%(賛成24.4%)など。

福島第1原発の処理水保管タンクは来夏にも満杯になるとされ、東電は来春の放出を目指す。原子力規制委員会は今年5月、安全性に問題はないとして、東電の放出計画を了承した。一方、放出設備の本格着工には地元自治体の同意が必要で、風評被害を懸念する漁業関係者を中心に反対の声が根強い。

▽調査の方法
世論調査は2~5日の4日間、参院選の投票行動と合わせ、県内有権者を対象にコンピューターで無作為に電話番号を発生させて電話をかけるRDD(ランダム・デジット・ダイヤリング)法で実施。1010人から回答を得た。



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