《戦後77年》恒久平和祈り、次代へ 水戸 600人が戦没者追悼

茨城県戦没者追悼式が25日、水戸市千波町のザ・ヒロサワ・シティ会館で開かれ、各市町村の遺族代表や大井川和彦知事、県議や市町村長ら約600人が参列した。黙とうや献花で戦没者に哀悼の意を表し、恒久平和を祈った。
遺族代表として追悼の辞を述べた高萩市の秋元政由さん(85)は、1945年5月に陸軍所属で当時35歳だった父・飯塚辰弘さんを沖縄戦で亡くした。記憶と体験を振り返りながら「これ以上戦争遺児を生み出さないよう、子々孫々に伝えていく」と述べた。
大井川知事は式辞でロシアによるウクライナ侵攻を「決して許されない暴挙」として触れ、「現在の平和は多くの戦没者の尊い犠牲、遺族の深い悲しみという大きな代償の上に築かれている。決して忘れてはならない」とあいさつした。
県遺族連合会の狩野安理事長は、遺族の平均年齢が80歳を超えている現状を指摘しながら「次の世代へ活動を託しながら戦争の悲惨さを語り継ぎ、二度と繰り返すことのないよう努めていく」と誓った。
県によると、茨城県の戦没者数は戦災による死者を含め5万8102人。参列遺族の平均年齢は77・3歳。追悼式は52年に始まり、今年で65回目。