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茨城・かすみがうら市 7月の選挙で無効3500票 投票方法に問題、見直しへ

市長選と市議補選の投票用紙が入った投票箱を確認する職員たち=7月10日夜、かすみがうら市上佐谷の千代田公民館
市長選と市議補選の投票用紙が入った投票箱を確認する職員たち=7月10日夜、かすみがうら市上佐谷の千代田公民館


7月の茨城県かすみがうら市長選で、市が市長選と市議補選の投票用紙を有権者に同時に手渡し、両方を一つの投票箱に投票させたことなどで、白票を中心に無効票が計約3500票に上っていたことが1日、明らかになった。市は投票方法に問題があったとして、見直しを検討する。同日の市議会一般質問で、吉村慎治氏(無所属)の質問に執行部が答えた。

7月10日投開票の同市長選は、参院選茨城選挙区、同比例代表、市議補選(欠員3)と同日だった。市などによると、投票は市内33カ所で実施。投票所では、参院選の投票箱2個のほか、市長選と市議補選共通の投票箱の計3個を置いた。有権者は参院選の投票後、職員から市長選と市議補選の投票用紙を同時に受け取り、一つの投票箱に投票する形となった。投票用紙はピンクと白に分けていた。

市によると、無効票は市長選で410票、市議補選3102票に上った。内訳は、市長選が白票193、候補者以外の名前112票など。市議補選は白票2293、候補者以外は177票などだった。

開票所立会人の一人は「市長選と市議補選の候補者名を間違って書いた人が多かった」と証言。この場合、「候補者以外」のため無効票になる。

市民からは「市議補選は市議の市長選出馬で急に決まった。候補者名が浸透せず白票が多かったのでは」と指摘する声もある。

一般質問で大久保昌明総務部長は、規模の小さな投票所があるため、有権者の滞留防止や設備設置のため同時交付し投票箱を一つにしたと説明。「有権者に分かりにくく、投票結果に影響する可能性があった。より公平公正な選挙のため改善見直しに取り組む」と述べた。

県選管は、投票箱は同一でも問題ないとしつつ、「国政選挙の投票事務では、誤交付を防ぐため、異なる選挙の投票用紙は1枚ずつ分けて渡すよう求めている」と説明している。

市選管によると、以前の衆院選時に、選挙区と比例、国民審査、県議選の4投票が重なり、投票箱を3個にした例があったものの、詳細な記録は残っていないという。

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