次の記事:常磐道で速度違反、身代わり出頭させる レーサーら逮捕

板谷波山と楠部彌弌展8日開幕 近代陶芸開拓者の技法 茨城・筑西

特別展で展示された楠部彌弌の「彩埏初夏香爐」(左)=筑西市大塚の廣澤美術館
特別展で展示された楠部彌弌の「彩埏初夏香爐」(左)=筑西市大塚の廣澤美術館
特別展に並ぶ板谷波山の「柿香合」
特別展に並ぶ板谷波山の「柿香合」


■芸術の域高めた57点
文化勲章をいずれも受章した陶芸家で、下館町(現茨城県筑西市)出身の板谷波山(1872~1963年)と京都市出身の楠部彌弌(くすべやいち)(1897~1984年)の特別展が8日、筑西市大塚の廣澤美術館で開幕する。近代陶芸に新たな風を吹き込んだ2人の技法が光る57点がそろう。10月30日まで。

特別展は「近代陶芸の開拓者展 板谷波山と楠部彌弌」。波山の生誕150周年を記念した展覧会の一環で、同美術館を運営する広沢グループ(筑西市)の広沢清会長のコレクションとなる。

楠部は古今の陶芸を研究し、独創的な造形と発色法で多くの名作を残した。波山のほか、同館の前回展に登場した奈良県出身の富本憲吉(1886~1963年)と共に「陶芸3巨匠」と呼ばれる。

今回は、新たな技法に挑戦して陶芸を芸術の域に高めた2人を取り上げた。波山独自の技法「葆光彩磁(ほこうさいじ)」は、繊細な絵付けをつや消しの不透明釉(ゆう)で覆ったものだ。初展示の「柿香合」は、お香を入れる道具で、柿の形をした遊び心のある名品だ。

楠部の代名詞とされる「彩埏(さいえん)」は、成形した器に色を付けた土を筆で塗り重ねて文様を作り上げるのが特徴だ。その技法を生かした「彩埏初夏香爐(こうろ)」は、アジサイの花を深みのある色合いで巧みに表現している。

7日に報道関係者向けの内覧会が開かれた。広報担当で広沢商事(筑西市)の田原一哉観光部長は、2人の巨匠について「既存の陶芸とは違うものを求めていた。時代を開拓した2人だった」と説明した。

問い合わせは同美術館(電)0296(45)5601。

最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース