スダチとカボス
秋の便りとともに、かぐわしいかんきつ類が出回るようになりました。今回はスダチとカボスを使った料理を紹介します。スダチは30~40グラムほどの小ぶりなかんきつで、まろやかな酸味があります。皮が緑色をしている未熟なうちが風味よく、焼き魚やあえ物に使われます。カボスは120グラム前後で、酸味に富み、別名「酢みかん」とも呼ばれます。こちらも皮が青い未熟なうちに収穫されますが、好みにより1週間ほど置くと皮が黄色くなり、酸味もまろやかになります。
古来、乾燥させたかんきつの皮は「陳皮」として漢方薬の原料に用いられてきました。皮に含まれるポリフェノールの一種、へスぺリジンは毛細血管を強化して主にコレステロールや中性脂肪、血流改善、抗アレルギーなどに効果があります。料理やお茶に輪切りを入れたり、陳皮をお風呂に浮かべたりすると、香りが楽しめ、リラックス効果もあります。どこか郷愁が湧き上がる味と香りを楽しんでみてください。