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東海第2事故想定 広域避難 守谷へ290人 村訓練、4回目

東海第2原発の事故を想定した広域避難訓練で、段ボールベッド作りに取り組む東海村立白方小の児童たち=守谷市野木崎
東海第2原発の事故を想定した広域避難訓練で、段ボールベッド作りに取り組む東海村立白方小の児童たち=守谷市野木崎


日本原子力発電(原電)東海第2原発(茨城県東海村白方)の過酷事故を想定し、同村は18日、3年ぶり4回目の広域避難訓練を実施した。村民290人が、約80キロ離れた守谷市に自家用車やバス11台で移動。小学生や要支援者の避難もあった。村の広域避難計画案で村民の避難先となる守谷、つくばみらい、取手の3市との訓練が、今回で1度ずつ終える形となった。

訓練は村職員、関係機関を含めると計約500人が参加。東海第2の原子炉に給水するポンプが壊れ、電源も喪失したとの想定で行った。

東海第2から約1・5キロの村立白方小(同村白方)では、6年生77人がバス3台で守谷市の避難所に向かった。自家用車で駆け付けた保護者7人が、現地で子どもの引き渡しを受けた。

川村愛華さん(11)は「事故は怖いが、落ち着いて行動できた」と振り返った。他の保護者と車に乗り合わせ娘を迎えに来た川崎恵子さん(53)は、「親を待つ子が不安になると思う。その間のケアを充実してほしい」と要望した。

グループホームメジロ苑(同)では、認知症の入所者6人が施設の車で避難所に向かった。職員の菊地純一さん(41)は「入所者の体調管理や心のケア、福祉車両、職員の確保など課題は多い」と話した。

村と市の住民代表と職員は、避難所のルールを検討する会議を今回初めて開いた。

訓練後、山田修村長は「スムーズにいかなかった部分もあり、検証する。計画の実効性は避難の仕方が住民の身体に染みつくことが大切。訓練は続けたい」と語った。松丸修久守谷市長は「今回は受け入れ手順を確認したに過ぎない。追い込まれた状況の避難者を受け入れるには検証が必要だ」と指摘した。

村は、避難予定先の全3市で訓練を実施したことになる。山田村長は、避難計画の完成時期を「示せない」とした上で、村単独では実効性検証に限度があると言及。原発5キロ圏の村と同30キロ圏の自治体では避難のタイミングが異なるため「国や県、周辺自治体と連携した大規模訓練も必要だ」と強調した。



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