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漆芸、曲輪造の極み 茨城・筑西 人間国宝・大西さん作品展

作品展「美しき漆芸の世界 人間国宝 大西勲展-日本伝統工芸展10年の歩み」で展示された漆器と、内覧会参加者=筑西市大塚の廣澤美術館
作品展「美しき漆芸の世界 人間国宝 大西勲展-日本伝統工芸展10年の歩み」で展示された漆器と、内覧会参加者=筑西市大塚の廣澤美術館


重要無形文化財保持者(人間国宝)の漆芸家、大西勲さん=茨城県筑西市=の作品展「美しき漆芸の世界 人間国宝 大西勲展-日本伝統工芸展10年の歩み」が3日、廣澤美術館(同市大塚)で開幕する。約10年間に制作された盛器や足付鉢などの漆器12点が制作年ごとに並べられ、大西さんの近年の制作の歩みを知ることができる。また、制作に用いる道具類27点も合わせて展示されている。2日、内覧会があり、報道陣に公開された。会期は12月25日まで。

大西さんは1944年、福岡県生まれ。30歳から本格的に漆芸に取り組み、57歳のときに漆を塗る技術「髹漆(きゅうしつ)」の人間国宝として認定された。

大西さんは漆の精製から木地作り、漆塗りまでの工程を分業せずに一人で担っている。檜板を薄く削ってさまざまな大きさの輪を作り、その輪を何重にも組み合わせて作る「曲輪造(まげわづくり)」の木地が、大西さんの特徴となっている。漆を塗る前段の「曲輪造」の木地は会場で公開され、鑑賞者が制作過程を理解できるように工夫されている。

展示作品の中では、大西さんが幼い頃に仰ぎ見た星空を表現したという「曲輪造盤『夜空』」(直径46・4センチ)や、展示された中で最も大きな作品「曲輪造八角足付盛器」(直径47・6センチ)などが見応えがある。同館の美術担当者、田原一哉さんは「いかにして人間国宝になったか、制作工程を展示することにこだわった。ぜひ見に来てほしい」と呼びかけた。

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