茨城DC 44市町村、独自の体験観光 旅行業者にPR
2023年秋の観光企画「茨城デスティネーションキャンペーン(DC)」を前に、全国の旅行業者へ茨城県の体験観光企画のツアー化をPRする「全国宣伝販売促進会議」が9日、水戸市内で開かれた。県内44市町村が従来の観光地や食にアウトドアを組み合わせた独自の企画を用意。茨城県が力を注ぐ体験観光の定着を目指し、会場の各ブースで熱のこもったアピールを展開した。
DCはJRグループ6社や自治体などが連携して誘客を図る国内最大規模の観光キャンペーン。茨城DCは「アウトドア」「食」「新たな旅のスタイル」をテーマに、来年10~12月に開催される。同日は全国から50社以上、280人を超える担当者を招いた。
会場には県、JR、市町村とアウトドアのブースが設けられた。常陸太田市は市内生産のチーズの試食提供とともに、来年販売が始まるワイン醸造所「武龍ワイナリー」を生かすツアーをPR。つくば市の担当者は筑波山や科学研究施設を中心としたツアーの実現に向け「他の市町村とも協力していきたい」と語った。
全体会議では、いばらきフラワーパークでライトアップされたバラの夜景を楽しむ企画や、自転車ごと宿泊できる土浦市の施設を拠点とした朝焼けサイクリングなどを紹介。DC土産品として笠間焼のとっくりと地酒のセット商品などもプレゼンテーションした。
主催は、県や市町村、観光業者などで構成する「いばらき観光キャンペーン推進協議会」とJR水戸支社。同協議会長の大井川和彦知事は冒頭、「高まる旅行への機運が継続するよう、茨城の魅力を体験して、全国の観光客を引き付ける旅行商品をつくってもらいたい」とあいさつした。
都内の大手旅行会社の担当者は「豊富な食に驚いた。これに首都圏からの近さを生かし、茨城だけでしか経験できない付加価値を組み込めば、宿泊を伴うツアー商品もつくれる」と手応えを感じた様子だった。
10、11の両日は、県内7コースに分かれて旅行業者らが観光企画を体験するエクスカーション(現地視察会)が行われる。