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茨城県議選 新県議、決意新た 「重責」「感謝忘れず」

交差点でつじ立ちし感謝を伝える木本信太郎氏=12日朝、水戸市千波町
交差点でつじ立ちし感謝を伝える木本信太郎氏=12日朝、水戸市千波町
駅立ちで市民と握手を交わす長田麻美氏(左)=12日朝、JR牛久駅東口
駅立ちで市民と握手を交わす長田麻美氏(左)=12日朝、JR牛久駅東口
当選から一夜明け、選挙事務所で支援者を出迎える金子敏明氏=12日朝、かすみがうら市新治
当選から一夜明け、選挙事務所で支援者を出迎える金子敏明氏=12日朝、かすみがうら市新治
当選の喜びを語るヘイズジョン氏=12日午後、つくば市内
当選の喜びを語るヘイズジョン氏=12日午後、つくば市内


茨城県議選は投開票から一夜明けた12日、初当選を飾った新人候補者たちが街頭に立ち、激戦の結果を市民に報告した。再挑戦が実り悲願を達成した候補、党派で初の県議会議席を獲得した候補、30代で最年少当選した候補などが、それぞれの決意を胸にこれから向かう県政の舞台に思いを新たにしていた。

■水戸市・城里町 木本氏、地に足着け全力で
6議席を巡り現新10人が争った水戸市・城里町区で初当選を果たした木本信太郎氏(45)は、午前7時過ぎから約1時間半、同市千波町の交差点でつじ立ちした。道行く人たちに手を振り、祝福の言葉を贈られると「ありがとうございます。勝ちました」と拳を突き上げて応えていた。

ザ・ヒロサワ・シティ会館(県民文化センター)近くの交差点は、初めて市議に立候補した約16年前から立ち続ける原点の場所。「勝ってかぶとの緒を締めよ。浮かれず地に足を着け、全力で仕事をしたい」と気持ちを新たにした。

12年前の県議選出馬時は次点で敗れ、苦杯をなめた。今回は常に危機感を持ち、つじ立ちや企業朝礼への参加など地道な「認知の積み重ね」に注力。のぼり旗を持った遊説隊員と演説場所まで歩いて市内を巡る「歩く会」や、交流サイト(SNS)の発信で若さをアピールした。

低調だった投票率を踏まえ、県政への関心を高めてもらえるよう「身近な存在として役に立てる議員を目指す」と表情を引き締める。つじ立ちを終えると事務所に戻り、祝福に訪れた支持者と笑顔で歓談した。

■牛久市 長田氏、身を切る改革前進
牛久市区でトップ当選を果たし、維新として県政初議席を獲得した長田麻美氏(41)は、午前6時過ぎからJR牛久駅東口に立った。1時間半近く通勤通学の市民に感謝を示し、「ようやく当選の実感が湧いてきた」と笑みがこぼれた。

前夜はメールやSNSで届いた多くの祝福の声に目を通し、わずかな睡眠を挟んで朝から駅に立った。この後、休む間もなく支援者へのあいさつ回りに出かけた。「皆さんの思いを胸に市や県の発展のため尽くす」と意気込む。

選挙戦では、維新の看板政策「身を切る改革」を強調した。まずは県議の報酬や定数削減に取り組む考えだ。現時点で勢力は1議席にとどまる。「限られた機会を生かし訴えていく。議会の中で賛同を得られるよう活動したい」と、政策実現に意欲を示した。

■かすみがうら市 最年少の金子氏 「身引き締まる」
1議席を争うかすみがうら市区で初当選した金子敏明氏(34)は、今回の当選者の中で最年少となった。一夜明け、午前7時から2カ所でつじ立ちし、道行く人たちに頭を下げた。「手を振ってくれる人もいた。改めて期待の大きさに身が引き締まる」と語った。

7月の市長選で敗れた後、宮嶋謙市長側から「県議選に出馬するなら支援する」と後押しを受けた。「次期市長選に再挑戦すべき」との声もあったが、悩んだ末、「県政の立場で政策を一つでも実現させたい」と出馬を決意した。

市議の一部は相手陣営に付いたものの、選挙戦では宮嶋市長や市議らが連携。出陣式に大井川和彦知事の後援会幹部も駆け付けた。自転車や徒歩で若さをアピールした。

市長と連携した市政発展を強調する。「初心を忘れず、私利私欲なく、皆の声を政策に反映させたい」と力を込めた。

■つくば市 ヘイズ氏「市民のために汗」
つくば市区で初当選した無所属新人のヘイズジョン氏(59)は、「たくさんの人から支持を受けられてうれしい。市民のために汗をかきたい」と笑顔を見せた。この日は定例市議会が開かれているつくば市役所を訪れ、仲間の市議たちにあいさつして回った。

ヘイズ氏はカナダ出身。2007年に日本国籍を取得し、08年から市議当選4回を重ねた。「外国からの視野で『もっとこうしたら良くなる』という部分を提案したかった」と、政治の道に入った理由を語る。県議選は14年に626票差で次点となって以来、2度目の挑戦だった。

選挙戦は青い自転車に「愛してる、つくば」の旗を掲げ、市内を巡った。後援会組織などはなく、準備も「友達が手伝ってくれた」と明かす。今回は、サンタクロースに扮(ふん)したスタッフと、商業施設の交差点などに立った。写真を撮ったり手を振ったりする市民に「手応えを感じていた」という。

会派入りについては「まだ分からない」と話す。県立高新設などを政策に掲げ「一人じゃ何もできない。つくばの県議みんなで声を上げたい」と語った。

■美浦村・阿見町 葉梨氏「ほっとした」
美浦村・阿見町区で若手立民候補との一騎打ちを制して9選を果たした自民現職の葉梨衛氏(79)は、選挙から一夜明け「ほっとした。地元と県や国との橋渡し役を務め、若い農業者が意欲を持てる環境づくりにも力を入れる」と語った。

自民県連の重鎮として来春の統一地方選を見据え、「他の政党が力を増している。新住民の増える地域も多く、力を発揮できる体制を整えていく必要がある」と先を見据えた。美浦村木原の選挙事務所は早朝から支持者が駆け付け、再選を祝った。

■ひたちなか市 事実上の信任投票
8年ぶりの選挙戦となったひたちなか市区は現職3人が当選し、自民の磯崎達也氏(48)がトップで3選を果たした。国民の二川英俊氏(44)も3選、自民の海野透氏(79)は現職最多の10選を決めた。無所属新人候補が目立った選挙活動をせず、事実上の信任投票となった。

初めてトップ当選し、県内の当選者で最多得票を得た磯崎氏は「身の引き締まる思いで、重責を感じている。緊張感を持って3期目に臨む」と気を引き締めていた。

■つくばみらい市 横田氏、駅前に立って感謝伝える
つくばみらい市区で自民現職を破り初当選した横田透氏(49)は12日、早朝からつくばエクスプレス(TX)みらい平駅前に立って通勤客らに丁寧に声をかけ、感謝を伝えた。

11日夜は、選挙事務所を訪れた支援者への対応や電話、LINE(ライン)での当選報告に深夜まで追われた。12日も駅立ちを終えると、支援者へのあいさつ回りに奔走した。

選挙戦では同市議13人が支援に回った。横田氏は「数え切れない人に支えられた。感謝を忘れず、行動で返したい」と話した。

■石岡市 戸井田氏、トップ当選に安堵
石岡市区は定数2に現新3人が立候補し、自民現職の戸井田和之氏(58)が5回目、無所属新人の桜井信幸氏(65)が初めての当選を果たした。一夜明けて両氏は、選挙事務所で支持者らの祝福を受けた。

戸井田氏は「圧倒的勝利はできなかった」としながらも、トップ当選に安堵(あんど)の表情。「まずは物価高騰など生活に身近な問題の解決に取り組みたい」と話した。再挑戦で県政の切符を手にした桜井氏は「八郷地区に県議がいてほしいという地元の願いの受け皿になった」と勝因を分析した。



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