「桜川の四季」短編小説コンテスト 最優秀に藤本さん(茨城・つくば)
茨城県桜川市の観光PRポスター「桜川の四季」を題材にした、短編小説のコンテスト「桜川の四季ショートストーリーコンテスト」の審査会が21日、市大和庁舎(同市羽田)で開かれ、海外を含む全国から寄せられた応募作品168点の中から、同県つくば市の藤本希さん(39)の作品「ひかりさす」が最優秀賞に選ばれた。また、優秀賞3点と佳作5点が選出され、作品71点を応募した桜川市立岩瀬西中2年生に審査員特別賞が贈られることが決まった。
市は2019年夏から、イラストによる観光PRポスター「桜川の四季」を制作し、季節ごとに12点を発表してきた。ポスターには、市内の名所旧跡を舞台に、幼なじみの男女の成長していく姿が、それぞれ描かれている。
コンテストは、これらのポスターを題材に自由に構想された短編小説を募るもので、同市の魅力発信に役立てようと企画された。作品の公募は22年8月に開始され、10月末に締め切られた。
最優秀賞の「ひかりさす」は、市内のバスに乗り込んだ主人公が運転手と何げない会話を交わす中で、亡き父とのさまざまな思い出がよみがえるストーリーとなっている。
優秀賞は「十年後の春」(ペンネーム門武鸞(もんぶらん)、京都府)▽「時をとめた街」(ペンネーム佐原信次、神奈川県相模原市)▽「ますみが池」(笠倉教子、茨城県土浦市)の3作品(敬称略)。
表彰式は23年3月ごろに開かれる。最優秀賞作品は24年3月をめどに動画化された後、市のホームページなどで公開される予定。
審査員は、審査委員長の大塚秀喜市長のほか、「さくらがわ応援大使」で同市出身の陶芸家、島田恭子さん、声優・歌手の櫻川めぐさんと安達勇人さん、橋本慶晴市観光協会長、武井久司市議、沼田安広茨城新聞社長の7人が務めた。
大塚市長は「多くの作品が寄せられ、うれしく思う。映像の完成が楽しみ。ぜひ観光PRにつなげていきたい」と話した。