干し芋



茨城の特産品の一つ、干し芋は主に県央地域(ひたちなか市・那珂市・東海村など)で、辺り一面、網いっぱいに広げて干している光景を見ることができます。水はけのよい土壌や風、晴天に恵まれた環境での昔ながらの干し芋作りは、100年以上の歴史を誇ります。掘ったサツマイモは約1カ月間熟成させ、ゆっくりと時間をかけて蒸します。そうすることで、サツマイモの中のデンプンが糖分に変わり、自然の甘さが引き出されるのです。蒸した後は皮をむいてスライスし、手早く網に並べて天日干しします。こうした一連の作業は作り手の熟練した手さばきで行われ、目を見張るものがあります。
栄養面では主に、食物繊維と鉄分、カルシウムやマグネシウムといったミネラルを含みます。そのため貧血予防や、骨や歯を強くするのに役立ちます。適度なかみ応えがあり、子どもからお年寄りまで幅広い世代の咀嚼(そしゃく)力を高め、唾液の分泌もよくします。加工しなくても、そのまま料理に活用できる食材です。