「鹿島たこ」水揚げ最盛期 茨城・鹿嶋 「たくさん食べて」
鹿島灘で取れるマダコ「鹿島たこ」の漁が、最盛期を迎えている。漁は伝統のタコつぼ漁で行われ、3月上旬まで続く。
鹿島灘漁業協同組合(茨城県鹿嶋市、長岡浩二組合長)では18日、24隻が出船し、約1・6トンの水揚げがあった。午後1時の競りに合わせ、鹿島灘漁港に戻った漁船がタコを次々と市場に届けた。漁協職員によって大きさ別に分けられ、競りに出されると、市場内は小売りや加工業者の威勢の良い声で活気づいた。
同漁協によると、鹿島たこは太平洋の荒波にもまれて身が締まり、肉厚で歯応えがあるのが特長。ハマグリやホッキ貝、伊勢エビなどを餌にしており、甘みも強いという。タコは「多幸」とも呼ばれる縁起物で、正月食材や贈答品としても人気がある。
同漁協たこつぼ部会の神成田一男部会長(57)は「つぼに入ったタコを取るので、ほとんど傷が付かず品質的にもかなり良い。たくさん食べてもらえれば」と話した。
タコつぼ漁は、県内10漁協のうち鹿島灘とはさきの2漁協のみ実施。昨年度の鹿島灘漁協の水揚げ高は110トン超で県内最多だった。本年度の水揚げは例年の5割くらいで、取引価格は例年より高いという。