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茨城・行方で住宅2階全焼、4人の遺体発見 「仲の良い家族」田園地帯に動揺

焼け跡から4人の遺体が見つかった2階建て住宅=24日午前11時ごろ、行方市於下
焼け跡から4人の遺体が見つかった2階建て住宅=24日午前11時ごろ、行方市於下


24日午前5時6分ごろ、茨城県行方市於下、会社員、男性(41)方から出火、鉄骨2階建て住宅の2階部分約84平方メートルが全焼し、焼け跡から子どもを含む4人の遺体が見つかった。男性の妻と子ども3人と連絡が取れず、行方署は遺体がこの4人とみて、身元の確認を進めている。4人が倒れていた居間兼寝室のコンセント周辺に激しく燃えた形跡があり、同署で火元の可能性もあるとみて調べる。

同署などによると、連絡がつかないのは、男性の妻(32)、小学3年の男児(9)、小2の女児(8)、保育園に通う男児(4)。男性は5人暮らしで、妻とは事実婚。

4人の遺体は2階南側の居間兼寝室で並ぶようにして見つかった。2階の住居部分が激しく燃え、コンセント周辺が激しく燃えていたとみられる。1階は物置や駐車場などがあり、焼損は小さかった。出火当時、男性は仕事とは別の用事で外出していたという。

牛乳配達中の男性(59)が、住宅が燃えているのを発見し119番通報。火災は約2時間後に鎮火した。

鎮火後、住宅は2階の天井部分が崩落し、赤い外壁は失われ、鉄骨がむき出しになっている部分も見られた。

現場は行方市役所麻生庁舎から北西に約5キロで、住宅や田畑が混在する地域にある。

近所に住む70代男性は「午前5時半ごろ、サイレンの音で気付いた。最初、車がないので外出しているのかと思っていたが、男性が帰ってきて中に駆け込もうとしているのを見て、中に他の家族がいるんだと思った」と当時を振り返った。

■沈痛「仲の良い家族」 田園地帯、動揺広がる
静かな田園地帯に早朝から炎が上がり、周辺は騒然となった。4人の遺体が見つかった住宅火災。突然の事態に、近隣住民の間には動揺が広がった。

一家を知る男性は、連絡の取れない小学3年の男児について「勉強を頑張っていた」、小学2年の女児は「元気な子だった」と印象を語り、沈痛な表情を浮かべた。

きょうだいはスクールバスで行方市立麻生小に通っていた。この日、家から200メートルほど離れたバス停に2人の姿はなかった。午前7時半ごろ、バスは消防車のそばを抜け、他の児童を乗せ学校に向かった。

送迎バスの見送りをしているボランティアの男性(71)は、「男児は勉強を一生懸命頑張っていて活発。女児は元気でかわいい子だった」と話した。

男性の妻は、4歳男児を連れ、バス停まで歩いて送り迎えをしていたという。自らの娘もバスを利用する30代の母親は「子どもの面倒をよく見ていた。にこやかに会釈をしてくれた」と語った。娘は女児の1学年下で、一緒に走り回って遊んでいた。「お姉ちゃんと遊びたい。仲良くしたい」と話しているという。

近所に住む80代男性は「炎が激しく上がって、まるで地獄のようだった」と振り返る。「仲の良い家族。4人も亡くなったと聞いて、本当に残念だ」と話した。

麻生小は全学級の担任が児童に火災を報告。同市教育委員会を通じてスクールカウンセラーを手配し、児童の心のケアに取り組む。

■複数人死亡火災 県内で過去にも
茨城県内で近年、複数人が亡くなった火災は、2021年4月に筑西市小栗で住宅と物置が全焼し、住人の60代夫婦と長男=当時(31)=の遺体が見つかった火災や、22年11月、阿見町青宿で住宅4棟が全半焼し、住民の80代夫婦が亡くなった例がある。

17年10月には日立市田尻町の県営アパートで、妻=当時(33)=と当時11~3歳の子5人が夫に殺害された殺人放火事件が発生。6人は刺傷による失血や煙を吸った一酸化炭素中毒などが死因となった。夫は一審水戸地裁で死刑判決を受け、東京高裁に控訴している。



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