茨城・潮来市長選立候補者の横顔(届け出順)
任期満了に伴う茨城県潮来市長選が29日に告示され、現職の原浩道氏(60)と、新人の沼里真一郎氏(45)=いずれも無所属=が立候補した。2人の横顔を紹介する。
■原浩道(はらひろみち)氏(60) 市長 無現 8年の市政継続訴え
「今回の市長選の争点は一つ。8年かけてきた市政を継続するのか、別の道を選ぶのか、それだけだ」と語る。
実家は代々、大生原村長や潮来町議長を輩出してきた政治家の家系。しかし、三男だったこともあり、浩道氏は外食産業で勉強後、市内にうどん屋を開いた。
ところが、市議を務めていた兄が急逝。浩道氏は、周囲から推される形で2008年に市議選へ立候補して初当選を果たした。15年、当時の市長に対抗する形で市長選へ出馬して初当選すると、4年後も一騎打ちを制して再選した。
この4年間は、学校給食の完全無償化をはじめとする子育て支援のほか、市内の水路を生かした「日本一の水路のまち」づくりなどに注力。3期目に向けては「(病院や消防署の誘致など)完全にできていない公約もある。目に見える形で達成したい」と意気込む。
夕食は主に浩道氏の担当。得意料理はハンバーグで、ソースも自作するほどのこだわりという。座右の銘は、人に知られないよう、ひそかにする善行という意味の「陰徳」。妻と2人暮らし。日の出。
■沼里真一郎(ぬまりしんいちろう)氏(45) 水道設備業 無新 近隣自治体と連携を
「潮来の将来のためには、これからの10年が大切。近隣自治体と連携し、かじ取りをできるのは私しかいない」と語気を強める。
祖父・睦明氏と父・潤三郎氏はいずれも潮来町議・市議の経験者。特に潤三郎氏は共産党の議員として精力的に活動。「体を張って潮来を守っていた」という姿は、真一郎氏が政治の道を志すきっかけとなった。
29歳で市議に初当選すると、2014年には「もう一つ上に立って政治を変えたい」として県議選に挑戦。結果は152票差で惜敗したが、その後は再び市議として活動し、幼児教育の充実をはじめ、教育や福祉の問題に取り組んだ。
尊敬する人物は、「地域のために命を投げ打った」田中正造。スポーツマンの一面もあり、中学で始めたバレーボールは社会人になっても地域のチームで続けていた。また、ボートでは、全国市町村交流レガッタ議員の部で優勝メンバーになったこともある。
座右の銘は「情けは人の為(ため)ならず」で、「誰かを助けることが、巡り巡って返ってくるような社会を目指したい」。妻と息子3人との5人暮らし。辻。