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茨城・日立市 応急給水、流れ確認 大規模断水備え防災訓練

折り畳み式の応急給水タンク(右)から水を提供する職員=日立市東成沢町
折り畳み式の応急給水タンク(右)から水を提供する職員=日立市東成沢町
マンホールトイレを設置する職員ら=日立市東成沢町
マンホールトイレを設置する職員ら=日立市東成沢町


大規模な断水と災害発生に備え、上下水道事業を担う茨城県日立市企業局は1日、同市東成沢町の市池の川さくらアリーナなどで防災訓練を行った。職員約60人が参加し、被災者への応急給水やマンホールトイレ設置の流れを確認。迅速な広報のため、情報伝達にも重点を置いて取り組んだ。

企業局の防災訓練は東日本大震災を教訓に始まり今年で11回目。

今回は施設の老朽化によって一部地域で約1万件が断水し、地震と津波も発生したとの想定で行われた。

災害時の給水拠点となっている同アリーナでは、職員が折り畳み式の給水タンク(貯水量1トン)2基を組み立て、給水車から水を補給。タンクと接続した蛇口から給水袋に水を入れて市民に手渡すまでの流れを確かめた。

同時並行でマンホールトイレ2基の設置訓練も実施し、マンホールの穴に合わせてパネル型のトイレを組み立て、洋風便器を設置。地下の配水管にたまった汚水を弁を開けて流す手順も確認した。

情報伝達では、被害情報をいち早く把握するため、現場の状況を職員が動画や写真に収め、無料通信アプリを使って市役所に置かれた対策本部に送信。集約した情報に基づき、市民への広報文の作成作業などを行った。

訓練後の講評で、岡部和彦公営企業管理者は「複合災害を想定した訓練だったが、人員の配置も柔軟に対応できた。情報収集も引き続き迅速に集約できるよう努めたい」と語った。

■マンホールトイレ推進 市内11カ所、71基整備

日立市は、学校などの避難所で災害用マンホールトイレの整備を進めている。断水で水洗トイレが使えなくなった東日本大震災を教訓に2014年度に初めて導入。本年度までに市内計11カ所、71基まで増えている。

マンホールトイレは災害時にマンホールのふたを外し、仕切りを設け、便器を置くだけで使える。設置が容易で、排せつ物を下水道に直接流すため衛生的とされる。地下に配水管などを整備する必要があり、費用は1カ所当たり1千万円ほどで、国が50%を助成している。

同市と日立・高萩広域下水道組合はこれまで、避難所の収容人数などに応じて1カ所当たり5~10基ずつ整備してきた。

現在は市が下水道総合地震対策計画(20~24年度)に基づき、毎年小学校か中学校に1校ずつ整備している。24年度には計13カ所、81基まで増える見通しだ。



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