長ネギ



■発汗作用で冷えを取る
立春を過ぎ、暦の上では春を迎えました。木々の芽吹きも間近ですが、もう少し寒い時期が続きます。今月は体を温めてくれる「長ネギ」を使った料理をご紹介します。
長ネギは奈良時代に中国から伝わり、私たちにとって食経験の長い野菜です。漢方では「葱白(そうはく)」と呼ばれ、生薬としても使われます。風邪をひいたときには、焼いたネギを首に巻いたり、鼻詰まりに利用したりするとよいといわれてきました。食べたときにピリッとくる辛み成分のアリシンは、発汗作用を促して体の中から冷えを取り、血の巡りをよくして全身を温める働きがあります。また、豊富なビタミン、ミネラルを持つため、風邪予防に役立ちます。
「長ネギと厚揚げの煮物」は、体を芯から温めてくれる一品です。「長ネギのピリ辛サラダ」は中国の伝統菜「老虎菜」のアレンジで、唐辛子を入れるとさらにピリッと感が引き立ちますよ。ネギは縦切りすると甘みが勝り、繊維を断ちきるように切ると辛みとともに香りが広がります。