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旅情を誘う水郷の風景 飛田周山ら連作、100年ぶり一堂に 茨城県五浦美術館で企画展

100年前の茨城の風景が並ぶ展示会場=北茨城市大津町
100年前の茨城の風景が並ぶ展示会場=北茨城市大津町


茨城県北茨城市大津町の県天心記念五浦美術館で、企画展「旅するチバラキ~連作《水郷めぐり》の全貌~」が開かれている。同市出身の日本画家、飛田周山ら4人の連作で、大正期に利根川流域から茨城県南部にかけて旅した道中の風景が描かれている。当時の街並みや人々の営み、河川を行き来した外輪蒸気船、帆かけ船などが描き込まれ、旅情を誘う作品が並ぶ。

連作「水郷めぐり」は1917年、飛田周山、水上泰生、山内多門、勝田蕉琴の4人が描いた。取手で下車した一行は利根川を下り、佐原、浮島、潮来を巡った後、鉾田、大洗、水戸、土浦を訪れ、筑波登山で締めくくっている。1週間の道中、4人は各地で写生し、それぞれ幅約180センチに仕上げた。

同館によると、所在が確認されている作品は31図。18年の展覧会でまとめて公開され、小池北風の紀行文とともに書籍「水郷めぐり」にも掲載された。作品はすべて個人所蔵で、一堂に公開されるのは約100年ぶりという。

いずれも文展や帝展といった国主催の展覧会で活躍していた実力派ぞろい。新緑の中、帆船と汽船が行き交う飛田の「嵐光水色 牛堀」をはじめ、墨を主体に水辺や農村の景観と、そこに暮らす人たちの姿が描かれている。

同館首席学芸員の井野功一さんは「仲の良い4人は画家としてライバルでもあった。それぞれの色彩や筆致の工夫に注目しながら、清らかな風景を鑑賞してほしい」と話している。

会期は4月23日まで。午前9時半~午後5時。月曜休館。前期3月19日まで、後期同21日からで、展示は各20点。一部展示替えをする。



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