《東日本大震災12年》災害関連死 文書の永久保存3割 茨城県内「永久」は7市町村
東日本大震災を含む五つの大災害で、被災後に心身の負担が原因で亡くなる「災害関連死」の審査、認定に関わった茨城県を含む16都県の149自治体(関連死数計4千人超)のうち、3割の45自治体が「防災に生かす」などの目的で関連文書の永久保存を決めたことが5日、共同通信の調査で分かった。永久保存を検討中の自治体も20あった。一方、既に廃棄を決定、または廃棄を検討中としたのは1割強で、5自治体が廃棄済みだった。
茨城県で災害関連死の審査、認定に関わったのは17市町村で、そのうち「永久保存を決めた」と回答したのは約4割の7市町村だった。「永久保存する方向で検討中」は1市あった。
永久保存を決めているのは、常陸太田市、笠間市、ひたちなか市、鹿嶋市、鉾田市、東海村、阿見町。検討中は日立市。
永久保存決定の理由について、常陸太田市の担当者は茨城新聞の取材に「条例や設計などと同様、災害関連死に関わる文書は特に重要」と説明し、今後の活用として「大規模な災害は頻繁にあるものではなく、市民の命を守るための参考にしたい」と答えた。
水戸、古河の2市は「規定に基づく保存期間経過後、一定期間保存する方向で検討中」と答えた。東日本大震災で災害関連死が5人(昨年末現在)認定されている水戸市の担当者は「同じような災害があった場合、どういった手順で審査、認定を進めるか参考にする」と話した。
北茨城市と那珂市の2市は「規定に基づく保存期間経過後、廃棄を決めた」と回答した。
結城市、つくば市、潮来市、桜川市、神栖市の5市は「未定」と回答した。