《解説》茨城・五霞町長選 豊富な行政経験に託す
新人同士の一騎打ちとなった茨城県五霞町長選(23日開票)は、元埼玉県福祉部長の知久清志氏が初当選を果たした。今期で勇退する現職町長の染谷森雄氏の地盤を引き継ぎ、自民党支部や県農政連などの推薦を受けて、組織力で元町議の新人候補を制した。
昨年12月の出馬表明後、町内全15地域17カ所でミニ集会を開くなど、知名度向上に向けた地道な活動が結実した。埼玉県庁で20年以上、福祉行政に携わった。選挙戦では、子育て支援や高齢者福祉に尽力した豊富な行政経験を訴え続けた。ふるさと納税の拡充や新たな産業振興による魅力あるまちづくりを目指し、財源確保にも力を注ぐ考えを強調している。
最優先課題は人口減少対策だ。町人口は2040年までに6千人を切ることが予想される。来年度から始まる小中一貫教育を柱とした教育環境の充実や、子育て世帯への手厚い支援などをてことして、若者の定住化を促す必要がある。
一般会計から毎年5億円の赤字補塡(ほてん)が続く公共上下水道の広域化の実現にも期待がかかる。行政経験を生かした手腕に町民の注目が集まる。