《解説》茨城・美浦村長選 村活性化、知恵と工夫を
12年ぶりの選挙戦となった茨城県美浦村長選(23日開票)は、現職の中島栄氏が新人候補との一騎打ちを制し、5選を果たした。村民は4期16年の実績を評価し、村政の継続を選んだ。
相手候補はベテラン県議の長男で23歳差。中島氏は出陣式で「大きな壁と対決するようだ」と危機感をあらわにし、後援会の引き締めを徹底。村議の半数以上から支援を受け、村内をくまなく回り支持を求めた。
村の課題は山積している。2012年に約1万7千人だった村の人口は22年に約1万4700人まで減少。少子化は深刻で、村内3小学校のうち1校は複式学級となっている。
現状を受け、中島氏は「教育水準を一定に保つため」として、統合小学校の建設を公約に据えた。廃校跡地利用は、6月議会で統合小建設が承認され次第、検討委を立ち上げるという。
戦争遺構の鹿島海軍航空隊跡地は、公園として保存整備する方針。平和教育の場として活用し、人を呼び込みたい考えだ。
人口減や激しさを増す地域間競争の中、村の活性化には一層の知恵と工夫が必要となる。中島氏の5期目の手腕が問われる。