茨城・美浦村長選で5選を果たした中島栄さん 統合小の開校に責任
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「当選すれば何もいらない。私の勝利ではなく、村民の良識の勝利だ」
茨城県美浦村長選で5選を果たした中島栄(なかじまさかえ)さん(75)は、喜びをかみしめるように、ゆっくりと話した。かすれた声が今回の選挙が激戦だったことを物語っている。支援者から花束を渡され、いつものような穏やかな笑みがこぼれた。
出馬の意志を固めたのは1月末。それまでは引退も視野にあったが、踏みとどまった。理由は村内3小学校の統合事業を「最後まで責任持って進めたい」との思いだった。
公約にも統合小の建設を掲げ、複式学級を解消することで「村内の教育格差をなくす」と呼びかけた。5選を果たして「訴えを理解してもらえた。2025年4月の開校を目指したい」と力を込める。
政治の基本は「村民が主役」というのが持論。「村民の決断の上に、村長や議会がある」とも語り、村の方向性を決めるのは、美浦に暮らす人々という考えを貫く。子どもからお年寄りまで年齢や立場にとらわれず村民と接する姿に、周囲からは「謙虚で親しみやすい人柄」と評される。
「終始一貫」を座右の銘としている。村のリーダーとして「信念を曲げないこと、ぶれないこと」を重視し、村政のかじ取りを担ってきた。その姿勢は集大成となる5期目も崩さないつもりだ。
家族は妻と子ども2人。舟子。