茨城・鹿嶋市議選投票率低迷 初の5割切れ 47.01%
23日に投開票が行われた茨城県鹿嶋市議選の投票率が47.01%と低迷し、市政に移行した後の議員選で初めて5割を下回った。前回よりも3.55ポイント下がった。当選した市議からは「投票率は市政への関心のバロメーターの一つ。5割を切ったのはショックだ」との声が上がった。
最初の市議選は1999年にあり、投票率は80.04%と関心が高かった。だがそれ以降は67.90%(2003年)、64.37%(07年)、54.11%(11年)、56.51%(15年)、50.56%(19年)と推移。15年にやや前回を上回ったものの、右肩下がり傾向が続いていた。
今回は現職4人が不出馬を決め、4月早々は「無投票になるのではないか」との声も上がっていた。その後、定数に対し2人オーバーの選挙戦となったものの、低投票率の心配があった。市選管は交流サイト(SNS)を含め複数の媒体で投票を呼びかけ、期日前投票は前回の20.50%から22.68%に上がったが、当日の投票者は伸びなかった。
争点は、日本製鉄東日本製鉄所鹿島地区の高炉2基のうち1基と関連設備が25年3月末までに休止する方針を示したことに関連した将来の街づくりや、コロナ禍からの地域経済復活などが挙げられた。
それでも、市民からは「訴えが聞こえてこない」などの不満が出ていた。中堅市議の一人は「争点らしき争点にならなかった」と振り返り、別の中堅市議は「まだ新型コロナウイルスの影響もあって、対面での会話ができなかった」と低投票率の理由を挙げた。
一方で、ベテラン市議の一人は「50%を切ったのは大問題だ。市議会の責任でもある。しっかり反省しないといけない。今後、情報発信により一層取り組みたい」と力を込めた。市選管は「低投票率の要因の分析を進め、今後に生かしたい」とした。