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院内に壁画や音楽 茨城・牛久に呼吸器内科 気持ち和ませる効果期待

患者の緊張をほぐすように壁画が施された院内=牛久市ひたち野東
患者の緊張をほぐすように壁画が施された院内=牛久市ひたち野東


患者の自己治癒力を少しでも高められればと、自然をイメージした壁画や心を落ち着かせる音楽を取り入れた診療所「ひたちの晴嵐呼吸器内科」が1日、茨城県牛久市ひたち野東に開業した。院内に、患者の視覚と聴覚にそれぞれ働きかける「ヘルスケアアート」と「特殊音楽」を導入。患者の心身の緊張をほぐしたり、気持ちを和ませたりする効果を期待している。

「自然と触れ合う感覚でリラックスできるように」と、院内にはピアノやオルゴールのクラシック曲が静かに流れ、壁や天井にはスイレンや地球など、部屋ごとのテーマに沿った絵が描かれている。診療科目は呼吸器内科とぜんそく外来がメイン。新型コロナウイルス感染の後遺症などにも対応していく。院長の三浦由記子さん(44)は「病気は自分で治せるという意識を芽生えさせるクリニックにしたい」と強調する。

三浦さんは国立病院機構茨城東病院(東海村)を皮切りに、呼吸器内科医として約20年間働いてきた。苦しむ患者と接しながら「根本治療にアプローチできていないと感じていた」と振り返る。模索する中で出合ったのが、ヘルスケアアートと特殊音楽だった。

新しい診療所をつくろうと、ヘルスケアアートを研究する名古屋市立大の鈴木賢一教授に相談。同大の学生17人が院内の壁や天井などに絵を描いた。6日間かけて仕上げられた絵の出来に、三浦さんは「絵の具を何重にも重ねているので、機械には出せない味が出ている。人の手のタッチにかなうものはない」と太鼓判を押す。

特殊音楽は、ビジネス書などを手がけるフォレスト出版(東京都)の谷内和俊さん(43)がプロデュースした。「社会に役立つ音楽」をテーマに制作し、医療機関や障害者施設など20~30カ所で採用されているという。

「もっと内装に手をかけるクリニックが全国に広がってほしい」と三浦さん。医療に芸術を取り入れる同様のコンセプトの広がりに期待を込めた。

問い合わせは、同診療所(電)029(871)0818。



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