あさ川製菓破産へ 負債10億1000万円 6店舗は営業継続 創業150年超の老舗 茨城
帝国データバンク水戸支店は2日、老舗菓子メーカー、あさ川製菓(水戸市)が東京地裁から破産手続き開始決定を受けたと発表した。決定は同日。負債は約10億1千万円。4月に新設した同名の別会社に菓子事業を譲渡。13店舗のうち6店舗は「あさ川」の店名を引き継ぎ営業を続ける。
あさ川製菓は1872年創業。「銘菓の老舗 あさ川」として長年親しまれ、スーパーマーケットやショッピングセンター、駅ビルなどに13店舗を展開。知名度の高い定番の「水戸の梅」「吉原殿中」を中心に「妹ほっかり」「のし梅」「梅羊羹(ようかん)」など茨城県産品を使った和菓子も取り扱い、ピーク時の2004年3月期には年売上高約17億3千万円を計上していた。
東日本大震災で被災し、店舗の休業や閉店を余儀なくされたほか、東京電力福島第1原発事故による風評被害もあり、12年3月期の年売上高は約12億9900万円まで下がった。その後も新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売り上げが落ち込み、22年3月期は約4億1200万円だった。
取引先への支払いや取引行に対する返済を遅らせながら再構築を模索したが、これ以上の事業継続は困難と判断した。