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核シェルター高まる関心 茨城・結城の板金加工会社に注文相次ぐ

核シェルター製造に取り組む板金加工会社の作業員=結城市田間
核シェルター製造に取り組む板金加工会社の作業員=結城市田間


ロシアによるウクライナ侵攻や北朝鮮の弾道ミサイル発射など、世界情勢が緊迫する中、茨城県結城市内の板金加工会社が製造する「核シェルター」に注文が相次いでいる。日本への影響に不安を募らせる人が増え、昨年夏を皮切りに15件を受注した。問い合わせの電話やメールがほぼ毎日1件以上来ており、多い時では1日約50件あるという。

シェルターを製造するのは、直エンジニアリング(結城市田間)。重厚感ある鋼鉄製の建物は高さ約2メートル、幅約2メートル、奥行き約4メートルで、最大5人を収容。内壁に貼られた厚さ0.5ミリの鉛板で放射線を遮る。イスラエル製特殊ろ過フィルターを搭載し、外気に含まれる放射性物質などを除去できる。設計した同社の古谷野喜光取締役専務は「学生の頃から誰かを守る物を作りたかった」と、長年の夢を明かす。

同社は建機メーカーの下請け会社で、板金加工を専門としていた。核シェルターは初の自社製品で、一般家庭に普及するよう願いを込め、2021年12月から販売した。結城市のふるさと納税の返礼品にも取り入れられた。

当初はほとんど問い合わせがなかったが、翌年2月のロシア侵攻を機に状況は一変。「核爆弾が落とされても大丈夫か」「ミサイルの直撃には耐えられるか」といった切迫した質問が寄せられるようになった。

乗用車1台分の場所があれば設置できる。それまでの核シェルターは地下埋設型が一般的で、多くは2000万円以上もするが、同社製品は660万円。他社と比べて安価で設置も容易だ。核シェルターの中では珍しく国内製造といった特徴からも注目度が高まっている。

発注は関東を中心に全国から来ているという。購入者の年齢層は20~70代と幅広く、職業は主婦や会社経営者などさまざまだ。

有名なユーチューバーの20代男性は3月、自身の動画で自宅に設置したと報告した。動画の冒頭で「世界の情勢が怪しくて、怖いなと思った」と購入理由を語っている。防音性が高いため、普段は仕事場として活用する予定という。子どもを守りたいという思いから自宅の駐車場に設置した主婦もいる。

古谷野取締役専務は「設置に行った時、とても喜んでもらえた。一般家庭への核シェルター普及という理想が形になり始めていてうれしい」と話した。



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