北茨城市長選立候補者の横顔(届け出順)
茨城県北茨城市長選が14日に告示され、いずれも無所属で、新人で元市議の米穀肥料店社長、松本健一郎氏(68)と現職の豊田稔氏(78)が立候補した。2人の横顔を紹介する。
■松本健一郎(まつもとけんいちろう)氏(68) 会社役員 無新 人に優しい政治が柱
当初は立候補を見送るつもりでいたが、告示1週間前に6回目の挑戦を決心した。無投票選挙がささやかれる中、「支持者から立候補を求める声が高まり、応えた」という。「無投票になっても、100%の支持はあり得ない。選挙をして選ばれるべきだと思う」と力を込める。
「人に優しい政治をベースにしていきたい」と語り、子育て支援や移住しやすいまちづくりなど、ソフト面の充実を訴える。現職の多選に対しては、「定期的に変わらなければ硬直化する」と主張。現職との一騎打ちは4回連続で、徐々に票差を詰めてきた。「支持が広がってきている気がする」と手応えを口にする。
1993年に北茨城市議に初当選し、2期連続で当選した。議員経験から「自分で決め、何かをするには市長でないとできない」との思いで、市長選に初出馬した。好きな言葉は戦国時代の武将・小笠原貞慶の「待つこと久しくして本懐を遂ぐ」。長い間、旧領の復活を待った貞慶と挑戦を続ける自らを重ねる。
趣味の天文では、仲間と集まり天体観測を楽しむ。妻と2人暮らし。磯原町。
■豊田稔(とよだみのる)氏(78) 市長 無現 きらりと光るまちに
6期の市政運営を振り返り「市民の思いに応えて動き、尽くしてきたことは間違いない」と自負する。「健康で心もまだまだ尽くせる。責任を持ってやりきることも一つの方法」と出馬を決心した。
東日本大震災の発生から復旧復興に尽力してきた。4月には計画していた津波避難道路の整備が全て開通。「復興事業については98%は完了した」という。ソフト面の取り組みを続け、「防災の意識を向上させていく」と力を込める。
北茨城市の人口を維持しながら、福祉や教育文化、子育て支援を充実させ、「小さいけれどもきらりと光るまちにしたい」と展望を描く。少子高齢化対策として、子育て世帯の働く場の確保や年収向上の必要性も指摘する。
年齢について懸念の声もあるが、「経験と人脈がある。気力が充実していれば、年齢を飛び越えられる」と一蹴する。気力の源は「市民をおもんぱかる気持ち」ときっぱり。
市議時代から座右の銘は「感謝と思いやり」。朝起きた時に演歌を30分聴いてストレスを発散する。妻と2人暮らし。関本町。