山歩き里ある記 難台山(笠間市)

難台山を望む
難台山を望む


新緑の春はスズランやツツジなど花々の出迎えを受ける。歴史をたどれば、南北朝時代の1380年代に山城が築かれ、合戦の場となった地でもある。雑木林の中に当時をしのばせる石が残り、難台山城跡は県指定の史跡となっている。

笠間市上郷の長沢地区から入り、スズランの群生地を経て山頂を目指した。案内板が立つ登山口から林道に入り、杉木立の山道を登っていくと群生地に出る。人が立ち入らぬよう周囲には柵が施され、保護活動にも力が注がれている。

ここから先は急な登りとなる。杉林から雑木林へと様相も変わり、春は鮮やかなツツジの花が疲れを癒やしてくれる。苦しい山道も20分ほどで縦走ルートに出る。そこから山頂までは比較的緩やかな尾根道が続く。
 山頂は広く、木々に覆われている。愛宕山方面へ縦走ルートをさらに進むと、巨大な屏風(びょうぶ)岩があり、その先の天狗(てんぐ)の奥庭や獅子ケ鼻からは、筑波山などを眼前に望める。

帰りは山頂近くまで戻り、分岐を難台山城跡方面へ下った。石垣のような城跡が残っているわけではなく、城に使われたと思われる石が木立の中に点在している。さらに林道を下っていくと、合戦で敗れた南朝方の小田五郎の追悼碑がある。

山を下りると駒場地区に出る。ここから出発地の長沢地区までは1時間少々、水田や住宅地など里の舗装道を歩いて戻る。

(2013/ 05/ 25付け 一部抜粋 )


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