《解説》北茨城市長選で豊田氏7選 将来見据え施策推進を
人口減少対策などを争点に市政の継続か刷新かが問われた21日投開票の茨城県北茨城市長選は、現職の豊田稔氏が通算7度目の当選を果たした。市民は東日本大震災からの復興など実績を評価し、市政の継続を選んだと言える。
一時は無投票の可能性がささやかれた市長選だったが、現職陣営は入念に準備。豊田氏も各地区で50回以上の座談会を開催するなど精力的に動き、新人陣営による多選批判を退けた。
選挙戦では強固な後援会に支えられ、着実に票を固めた。街頭演説でも、県議や市議が連日応援に駆け付けた。県議で長男の茂氏が県議会で自民会派入りしたことなども追い風となり、自民党北茨城支部も全面支援して支持を広げた。
今回、同市で48・43%という過去最低の投票率で、盛り上がりに欠けた印象は否めない。ただ、急きょ立候補を決めた新人は、投票率が前回から約5%下がった中でも、一定の支持を集めた。豊田氏は今後、幅広い市民の理解を得ながらの市政運営が必要だろう。
人口減少が続く同市では、切れ目ない子育て支援策は待ったなしの状況だ。工業団地では、雇用創出や地域活性化などにも期待がかかる。
7期目に突入する豊田氏が、これまでの経験や人脈を生かし、将来を見据えた施策をどこまで推し進めることができるかが注目される。