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「大山スロープ」有料化 茨城・美浦の霞ケ浦湖畔 7月から駐車代2000円、予約制に

7月から有料化される大山スロープ=美浦村大山
7月から有料化される大山スロープ=美浦村大山


鹿島海軍航空隊の施設が今も残る茨城県美浦村大山の霞ケ浦湖畔に「大山スロープ」と呼ばれるコンクリート製の斜面がある。かつては訓練の水上戦闘機などが出入りする場所だった。その地形を利用して現在は水上バイクの愛好者が集まる。人気の高まりにつれて騒音やごみなどのマナー違反が目立ってきた。村は7月から駐車料を取る形でスロープ利用を有料化する。

村企画財政課によると、スロープの広さは1万2629平方メートル。所有者は国交省霞ケ浦河川事務所。護岸で固められた霞ケ浦の中では例外的な場所だ。約10年前から水上バイクの利用者が増え始め、夏場の休日などには約100台の車が集まり、多くの人でにぎわう。

一方、ごみの放置や水上バイクの暴走、大音量で音楽を流すなど、マナー違反も少なくない。水上バイクやボートから湖に転落する死傷事故もたびたび発生していた。

村や河川事務所、稲敷警察署などはキャンペーンやパトロールを行い、取り締まりやマナー向上を呼びかけたが、一向に改善されなかった。

村は2年以上前から有料化を検討し、今年4月に指定管理者になったのを機に、7月からは民間業者に予約や管理などの業務を委託して料金を徴収する。業者は現在公募中で、6月中旬に決まる見通しだ。

料金は駐車1台当たり2千円。インターネットから事前予約する。予約時には水上バイクの操縦に必要な特定小型船舶操縦士免許や、船舶検査証書を確認するほか、ごみの持ち帰りなどを規則に盛り込む。村の担当者は「訪れた人が安全に利用できるだけでなく、地元の人にも安心できる場所にしたい」と話す。

有料化について、水上バイクを楽しんでいた宇都宮市の会社員男性(65)は「これまで(ルールが守られないなど)無法地帯だった」と歓迎する。「予約時の免許と実際の操縦者の一致を確認するなど、管理を徹底してもらいたい」と話す。

写真撮影で湖畔を訪れていた茨城県稲敷市の青木勝久さん(75)は「ごみの放置などマナー違反がなくなればいい。地元の人も安心だと思う」と話した。

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