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茨城・牛久沼の越水 下流の水門が工事中で機能せず 県「因果関係を検証」

西谷田川(右)から堤防を越えて越水が続く水田=龍ケ崎市佐貫町
西谷田川(右)から堤防を越えて越水が続く水田=龍ケ崎市佐貫町


台風2号や梅雨前線の影響により牛久沼(谷田川)の一部で越水したのを巡り、下流に設置されている水門「八間堰(はっけんぜき)」(茨城県龍ケ崎市)が工事中で機能していなかったことが7日、分かった。堰周辺は、工事のため矢板で水をせき止めていた。県は大雨でも排水路などを経由して排水できるようにしていたとし、「工事と越水の因果関係を検証したい」とする。

県河川課によると、同堰は農業用水の確保と治水目的で、県と牛久沼土地改良区が管理する。昨年9月には、老朽化に伴いゲートの改修工事に着手。矢板を使い堰周辺の川底を乾かそうとしたところ、泥水が噴き出す「ボイリング」があったため、3月下旬の終了予定を延期していた。

牛久沼で越水が確認されたのは龍ケ崎市や同県つくば市の計3カ所。矢板付近には仮の排水路を設置し、水かさが増しても矢板を越えて下流に流れるようにするなど、流量を計算した上で大雨に備えていたが、同課の担当者は「想定を超える水が(堰周辺のエリアに)来たのではないか」とみる。

県は当時の気象状況や水量などを調べ、越水への影響を検証するとともに、新たに水害が起こらないよう対応を進めるという。

一方、つくば市上岩崎付近では越水が続く。茎崎村外五ケ町村土地改良区によると、影響でつくば市と龍ケ崎市、同県つくばみらい市の3市にまたがる計約2平方キロで水稲の苗が水に漬かったままだ。同改良区の担当者は「こんなに水が引かないのは初めて。週末も雨の予報で一体どうなるのか」と頭を抱える。

工事に関連し同改良区は3、4月、田植えの時期前の同堰の排水対策を県土木部に要望している。同担当者は「田植え後に大雨が降って越水したら大変なことになると伝えた」と話し、「せっかく植えた苗なのに」と肩を落とした。



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