茨城県取手市は聴覚に障害がある人や聞こえに不安のある人との窓口対応を支援するため、6月から市役所のカウンターに音声を認識して文字で表示するディスプレーを置いた。会話がリアルタイムでパネルに文字表示される。

同市寺田の新庁舎1階の障害福祉課カウンターに置かれた機器は、マイクを使って話すと目の前のパネルに瞬時に文字が表示される。対応する市職員はパソコン画面で確認する。

同課によると、これまでは筆談での対応が多く、手話通訳者は火曜のみの配置だった。今後は手話通訳、筆談と併せてディスプレーを活用していく。

同市は2021年4月に、音声認識を手がけるアドバンスト・メディア(東京)と連携協定を締結した。今回の導入は同協定に基づく。市議会では2008年から同社の技術に基づき、音声転換による議事録を作成してきた実績がある。市情報管理課によると、地名や方言なども文字化でき、個人情報が外部に流出する危険もないという。

機器を利用して相談した飯山オミカさん(86)は「聞こえなくなって40年以上になるが、便利なものができた。慣れればもっと使えると思う」と話した。障害福祉課の担当者は「文字になるとお互いに理解しやすい。聞こえに不安のある人の相談などで活用していきたい」と話した。