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TX延伸先「土浦」 地元は歓迎「夢へ一歩前進」 茨城空港接続に望み

TXの県内延伸先が土浦方面となり、会見する土浦市の安藤真理子市長=同市役所
TXの県内延伸先が土浦方面となり、会見する土浦市の安藤真理子市長=同市役所


つくばエクスプレス(TX)の県内延伸先が23日、「土浦方面」に決定した。延伸実現にはまだ課題が残るものの、地元からは「夢へ一歩前進」と歓迎の声が広がった。延伸4方面案の一つで、茨城空港への接続を望んでいた小美玉市も今後に望みをつないだ。

JR土浦駅の利用者などからは同日、土浦方面への延伸について歓迎する声が聞かれた。

つくば市へよく遊びに出かけるという県立高1年、杉山廉さん(15)は、延伸が実現すれば「土浦とつくばを行き来しやすくなる」と声を弾ませる。同駅を利用する萩原慎之亮さん(30)、長谷川景哉さん(32)の2人も「土浦の活性化につながれば」と期待を寄せた。

つくば市民も歓迎ムードだ。会社員の亀山楓さん(28)は、実家がある水戸市へ帰省する際、TXで都心まで出てからJR常磐線に乗り換えているという。「時間がかかっていたので、延伸は助かる」と話した。

土浦市で延伸の旗振り役を果たしてきた「TX土浦延伸を実現する会」会長の安藤真理子市長は会見で「長年の悲願。熱い思いが実を結び、大変喜ばしい。夢がまた一歩現実へと大きく動き出した」と笑顔で話した。延伸実現時の効果にも触れ、「TX沿線にとどまる人の流れを県全体に広げられる」と先を見据える。

今年3月に県へ提出された第三者委員会の報告では、筑波山や水戸、茨城空港の3方面の延伸案に比べ、土浦方面は費用対効果の観点で最も優れていた。それでも、毎年3億円の赤字や同駅接続の難しさなどが指摘され、今後の課題は少なくない。

安藤市長は「やっとスタートラインに立ったところ」と語り、一日も早い延伸に向け対策に取り組む考えを示した。

一方、「次の段階」(大井川和彦知事)として議論の考えが示された茨城空港(小美玉市)。島田幸三市長は「道は開かれた。引き続き空港の着陸制限の緩和などを働きかけ、利用促進に取り組みたい」と前向きに受け止めた。

■「歓迎」「商都復活に」 県内経済界

TXの県内延伸先が「土浦方面」に決まり、県内経済界からは地域経済の盛り上がりを期待する声が上がった。

県商工会連合会(小川一成会長)は「TXが土浦駅まで延伸することで、県南地区だけでなく、県内の地域経済が活性化することを期待している」と好意的に受け止めた。県商工会議所連合会(内藤学会長)は「県の決定を歓迎する。早期実現に向けて全面的に協力したい」と後押しする考えを示した。

TXを巡っては、2005年の開業以降、県南地域の発展がつくば市などの沿線に集中する。土浦市内の商業者は「商都土浦の復活に」と延伸を切望。市によると、延伸候補案に浮上して以降、企業進出などの引き合いが増えているという。

土浦商工会議所の中川喜久治会頭は「大量輸送の大動脈がつくばで止まっていること自体がおかしい。土浦を大きなハブ(接点)として、広く首都圏の活性化につながる」と波及効果の必要性を訴えた。

一方、TXを運営する首都圏新都市鉄道(東京、柚木浩一社長)は「茨城県の延伸については、県で議論されていることであり、コメントは差し控える」とした。



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