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農業題材アート100点 8日開幕 「命と食」着目 茨城県近代美術館企画展

「農業」をテーマにした展示作品を内覧する関係者=水戸市千波町の県近代美術館
「農業」をテーマにした展示作品を内覧する関係者=水戸市千波町の県近代美術館


「農業」をテーマに近現代の絵画や立体などを集めた企画展「土とともに 美術にみる〈農〉の世界─ミレー、ゴッホ、浅井忠から現代のアーティストまで─」が8日、水戸市千波町の茨城県近代美術館で開幕する。日本やフランスの農村風景画をはじめ、農民運動を題材にした社会派画家の作品、農業にまつわる現代アートなど、多彩な「農」のイメージを紹介する。

近年、気候変動や武力紛争によって生じる食糧危機が身近となる中、本展では、「命と食」に直結する農業に着目し、アートとの関わり合いを考察。「田園風景の発見 フランスと日本」「畑のマリア モデルとしての農婦と子」などの章立てで、作品約100点を展示する。

見どころの一つが、ヨーロッパの画家が農婦をモチーフに描いた作品群。バルビゾン派のミレーによる「落ち穂拾い(版画)」、印象派のピサロによる魅力的な農家の女性像「立ち話」に加え、オランダ時代のゴッホによる「座る農婦」などを集めた。農作業や家事・育児に励む女性たちの健康美と共に、勤労の尊さを伝えている。

現代作家による農業へのアプローチも注目だ。草間彌生、米谷健+ジュリア、雨宮庸介ら国際的に活躍するアーティストをはじめ、福田玲子、野沢二郞、大森薫子の各氏ら茨城県ゆかりの作家の作品も楽しめる。

担当の永松左知主任学芸員は「人間の生活の根幹にあるのが農業。作家たちはそれを魅力的なモチーフとして見いだし、連綿と描いてきたことを実感していただければ」と呼びかける。

7日、開会式が同館で行われ、出品作家ら約50人が出席した。関係者は開幕のテープカットを行った後、展示を内覧した。

会期は9月3日まで。



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