次の記事:ビール原料に生き埋め 男性死亡 キリン工場

高温ガス炉燃料、英と開発 原子力機構 茨城・大洗の技術提供

英国チームとの次世代炉の核燃料開発を発表する原子力機構の担当者=県庁
英国チームとの次世代炉の核燃料開発を発表する原子力機構の担当者=県庁


日本原子力研究開発機構は19日、英国と実証を進める次世代原子炉の「高温ガス炉」に使う核燃料を英国立原子力研究所と共同開発すると発表した。大洗研究所(茨城県大洗町)の高温工学試験研究炉「HTTR」で蓄積した技術を英国側に提供する。将来的には日本国内での実証炉開発に結び付けたい考え。

高温ガス炉は次世代型原発の一つとされ、一般的な原発(軽水炉)と異なり、原子炉で発生した熱を取り出す冷却材にヘリウムガスを使う。核燃料はセラミックスで覆われて耐熱性が高く、炉心溶融は起きにくいとされるほか、取り出した熱を水素製造や製鉄などに利用できるのが大きな特徴だ。

英政府は温室効果ガスの排出ゼロに向け、工業分野での水素や高温蒸気の供給源に高温ガス炉を選択。2030年代初めに英国内で実証炉の運転開始を目指している。基本設計と核燃料開発だけでも計3100万ポンド(約56億円)の開発費を充てる。

共同開発では、高温ガス炉の実用化に向けた安定的な核燃料の供給を目指す。そのために必要となる製造設備の大規模化に関する研究を24年度末を目標として進める。

原子力機構は22年9月から、英国の高温ガス炉実証炉プログラムに参加している。今回は核燃料開発のほか、原子炉本体の基本設計や採算性を評価する研究にも加わる。

英国での実証炉の建設に当たり、原子力機構は1998年に初臨界した大洗研究所のHTTRの設計や建設、運転の技術を反映させる。一方、そこで得た知見や経験を日本国内の実証炉建設に生かしたい考え。核燃料については、日本と同レベルの製造技術を英国が持つことで、今後の実用炉に使う燃料調達先の候補とする。

県庁で同日、記者会見した原子力機構高温ガス炉プロジェクト推進室の大橋弘史次長(53)は「実証炉が建設されるのは日本より英国の方が早い。脱炭素技術の英国での先行情報を最終的に日本側に還元していきたい」と話した。



最近の記事

茨城の求人情報

ゴルフ場内レストランの調理スタッフ 【ザ・ロイヤルゴルフクラブ】
 エリア:茨城県
雇用形態:正社員
  給与:月給22万円~40万円

【仕事内容】名門ゴルフクラブレストランの調理スタッフ 賞与2.6ヶ月分 調理経験を活かして即戦力としてご活躍を! 洋食を中心に、地元の食材を使い手作りにこだわった丁寧なお料理づくりをお願いします。 チームの一員として、最高のレストランを一緒に創り上げていきましょう! ~ 『ザ・ロイヤルゴルフクラブ』とは ~ 世界に名だたるコースにも引けをとらない美しさとセッティングを実現。 ゴルフプレーはもち...

スポンサー:求人ボックス

全国・世界のニュース