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生徒と避難者、交流深く 茨城・牛久栄進高 支援へ同好会設立 校内新聞、街頭募金も

トロプチン・ニキタさんから校内新聞について意見をもらう同好会メンバー=牛久市東猯穴町の県立牛久栄進高
トロプチン・ニキタさんから校内新聞について意見をもらう同好会メンバー=牛久市東猯穴町の県立牛久栄進高


ロシアによるウクライナ侵攻が長期化する中、茨城県立牛久栄進高(牛久市東猯穴町)の生徒とウクライナから避難してきた人々との交流が深まっている。避難学生の講話をきっかけに生徒有志が支援活動を始め、今年5月には同好会を設立。募金やイベント活動を通して支援の輪を広げたい考えだ。

同好会は5月、2年生を中心に設立された。会の名称はウクライナ語で「自由」を意味する「ウォーラ」。現在は6人が支援活動に取り組んでいる。

結成のきっかけは、昨年6月に同校で開かれたウクライナ出身学生のオンライン講演会。被害の現状を知った生徒有志が「自分たちでも力になれることを」と活動を決意し、校内新聞の発行や街頭募金などを始めた。

校内新聞は他の生徒に関心を高めてもらおうと、同国の食文化や侵攻の現状などの情報を掲載し、2カ月に1回程度発行しているという。今年2月にTXつくば駅前で実施した募金活動では、善意金12万9500円が集まり、全額を国連児童基金(ユニセフ)を通じて寄付した。

今月18日には、筑波学院大で経営学を学ぶトロプチン・ニキタさん(19)、演奏家のトルマチョヴ・グリェブさん(29)の2人を招いた交流会も実施。参加した生徒約30人が、同国の歴史を学んだり、国歌の演奏に聴き入ったりしたほか、2人への質問やチェロの演奏体験を通して親睦を深めた。

昨年7月に日本へ避難したニキタさんは「誰もができる支援は、ウクライナについて調べてもらうこと。文化や現状など正確な情報を知ってもらうことが支援につながる」と語った。

グリェブさんは同国内のオーケストラで活動していたが、今年1月下旬に日本へ避難した。出身地は、ロシア軍の爆撃で街や博物館などが破壊された同国東部のハルキウ。交流会後は「日本の支援に感謝したい。高校生の活動に心が温かくなった」と感動した様子で話した。

同好会は今月29日、道の駅常総(常総市むすびまち)で募金活動を実施予定。

同好会会長を務める宮沢春花さん(2年)は「これからもウクライナの方々と交流していきたい」と意欲を見せ、下級生にも参加を呼びかけたい考えだ。



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