干し芋残渣でスイーツ 茨城・東海 親子で食品ロス学ぶ

干し芋の生産過程で廃棄される皮や皮に付いた実などの残渣(ざんさ)を使ってスイーツを作るイベントが22日、茨城県東海村石神内宿の石神コミュニティセンターで開かれた。親子10組20人が参加し、持続可能な開発目標(SDGs)や食品ロスの問題を学びながら楽しんだ。イベントは村中央公民館が行う講座の一つ。昨年から同村の企業と、本来食べられる残渣の活用方法を研究する茨城大の石島恵美子教授と学生が開いた。
参加者が作ったのは、残渣を使ったモンブラン。学生たちが昨年度、残渣を「はしっぽ」と名付けて同村の小学生にはしっぽ料理を考えてもらうコンクールを企画し、最優秀賞作品を学生がアレンジして簡単に作りやすくしたもの。
カップにパンやヨーグルト、パイナップルなどを入れて山のように盛り付けし、親子で協力しながらはしっぽと白あんを混ぜたペーストを絞り袋で絞り出し、円すい状に盛り上げ完成させた。
村立石神小5年の馬目侑哉君(10)は「簡単にできた。友達にも作りたい」、母親の江美さん(47)も「親子で楽しく料理ができて良かった」と笑顔を見せた。
料理する前には石島教授が、食品ロスが自然災害の多発や石油をはじめ資源エネルギーの無駄につながることを説明。はしっぽを食べることがSDGsの実現や地域課題の解決につながることも強調した。
石島教授は「はしっぽ料理を作り、食べてもらうことで残渣が減り、東海村のことやSDGsを考えるきっかけにもなれば」と期待を込めた。