首都直下地震に備えを 茨城・土浦でシンポ 自助共助大切に 関東大震災100年
1923年9月1日に発生した関東大震災から100年の節目を迎えるのを前に、今後予想される首都直下地震などにどう備えるかを話し合うシンポジウム(国土交通省常陸河川国道事務所主催、茨城新聞社共催)が28日、茨城県土浦市東真鍋町のクラフトシビックホール土浦で開かれた。研究者や行政の関係者が登壇し、自助共助の大切さなどを訴えた。参加した市民ら約250人が熱心に耳を傾け、災害への備えについて理解を深めた。
防災科学技術研究所の藤原広行・マルチハザードリスク評価研究部門長が基調講演。茨城県は地震が頻繁に起きる地域であることを指摘しつつ、「小さな地震がたくさん発生しても、ひずみエネルギーの全ては解放されない」と解説。歴史を踏まえ、茨城県や首都直下の地震に備えるよう促した。
パネルディスカッションでは、藤原さんがコーディネーターを務め、田村央県土木部長、安藤真理子土浦市長、遠藤彰土浦協同病院救命救急センター長、佐近裕之常陸河川国道事務所長がパネリストとして登壇。東日本大震災後のインフラ整備や関係機関協力の進展を紹介した。また、災害で深刻な被害が出た際は、行政支援などの「公助」に限界があり、自助共助の意識をより高める必要性を指摘した。「防災面でも女性リーダーの存在が重要」といった意見も出た。
会場では、茨城県内で起きた災害のパネル展や無限軌道の移動電源車の展示なども行われた。