次の記事:おしぼり工場事故 挟まれた男性死亡

茨城県選抜中学野球 城里常北、10年ぶり頂点

県選抜中学野球大会で優勝し、ダイヤモンドを1周する城里常北の選手=つくば市流星台のさくら運動公園野球場
県選抜中学野球大会で優勝し、ダイヤモンドを1周する城里常北の選手=つくば市流星台のさくら運動公園野球場
城里常北-岩間・稲田 6回表城里常北1死満塁、加藤が右前に2点適時打を放ち逆転=さくら運動公園野球場
城里常北-岩間・稲田 6回表城里常北1死満塁、加藤が右前に2点適時打を放ち逆転=さくら運動公園野球場
城里常北-岩間・稲田 5回表城里常北無死、先頭打者の船橋が右越え本塁打を放ち笑顔でベンチに戻る=さくら運動公園野球場
城里常北-岩間・稲田 5回表城里常北無死、先頭打者の船橋が右越え本塁打を放ち笑顔でベンチに戻る=さくら運動公園野球場
城里常北-岩間・稲田 4回裏岩間・稲田2死満塁、白石が右翼線への3点適時二塁打を放つ=さくら運動公園野球場
城里常北-岩間・稲田 4回裏岩間・稲田2死満塁、白石が右翼線への3点適時二塁打を放つ=さくら運動公園野球場


茨城県遊技業防犯協力会杯「第48回県選抜中学校野球大会」(茨城新聞社、つくば市スポーツ協会主催)の最終日は5日、同県つくば市流星台のさくら運動公園野球場で決勝が行われ、城里常北が岩間・稲田を9-6で下し、10年ぶり2度目の優勝を果たした。

城里常北は同日の準決勝で阿見にコールド勝ち。決勝は2-1で迎えた四回に4点を奪われ、逆転を許した。直後の五回、1番船橋剛心(2年)の右越え本塁打などで2点を返すと、続く六回、2番加藤信吾(3年)の右前2点適時打などで一挙5点を奪い、ひっくり返した。最後はエースの小林賢侑(同)が締めた。

閉会式で城里常北に優勝の若鷲旗が贈られ、ナインは仲田陽太主将(同)を先頭にダイヤモンドを行進した。3位は阿見と下館南。

大会は県内5地区から選ばれた32校が出場した。

◇さくら運動公園野球場
▽決勝
城里常北  0110250│9
岩間・稲田 1004010│6

(城)小田倉浩、江幡、小林-仲田
(岩)高瀬、河内、悉知-悉知、高土

▽本塁打 船橋(城)
▽三塁打 松崎(城)
▽二塁打 船橋、檜山(城)白石(岩)
▽暴投 小田倉浩(城)
▽試合時間 2時間5分
▽審判 吉田、宮本、友部、橋田

▽準決勝
城里常北 51200│8
阿見   00000│0
(5回コールド)

(城)小林-仲田
(阿)宮本、根本、久保谷、酒寄-根本、冨田、根本

▽三塁打 松崎(城)

岩間・稲田 0010300│4
下館南   0000000│0

(岩)木村、高瀬-高土
(下)小島、新井-新井、小島

▽本塁打 高土(岩)
▽二塁打 高土、悉知(岩)

■12安打9得点、逆転勝ち
【評】城里常北が12安打9得点の猛攻で、岩間・稲田に逆転勝ちした。

城里常北は3点を追う五回に船橋の右越え本塁打などで1点差。六回1死満塁で加藤の右前2点適時打に続き、小田倉浩が中前2点適時打を放つなど一挙5点を奪い逆転。投げては四回途中から登板した江幡、小林が踏ん張った。

岩間・稲田は五、六回の計7失点が響いた。打線は五、七回の得点機にあと一本が出なかった。

■粘り強く劣勢はね返す

逆境も何のその。城里常北は一時3点差を付けられた劣勢をはね返し、10年ぶりに王座を奪還した。コツコツと単打でつないで相手を追い詰める、持ち味の粘り強さが光った。

1点リードの四回に4点を奪われ、逆転を許した直後の五回の攻撃前。藤田明英監督(37)から「1点ずつ返せば勝機はある。粘り強く戦っていこう」と声がかかった。指揮官からの言葉に対し、逆転負けを喫した県総体の悔しさを胸に持つ選手たちが奮起した。

2点を返して1点差とすると、さらに続く六回。2本の長短打と四球で1死満塁とし、打席には2番加藤信吾(3年)が立った。前打者の船橋剛心(2年)が申告敬遠で歩かされたこともあり、「燃えていた。絶対に走者をかえすという思いだった」。外角のカーブをうまく追っつけて右前へ運び、値千金の2点適時打。後続も適時打で続き、一挙5点のビッグイニングで試合をひっくり返した。

チームはこれまで、低弾道かつ鋭い打球を飛ばす練習に注力してきたという。さらに、「選手全員が手を抜くことなく、自分に厳しく取り組めるのがうちの強み」と指揮官。この日の計12安打と終盤の粘り強さについて、仲田陽太主将(3年)は「日頃の努力の成果が十分出た」と胸を張った。

次なる目標は、約1週間後に迫る東日本少年大会の制覇だ。2冠達成に向け、仲田主将は「これに満足することなく、必ず優勝したい」と力強く意気込んだ。

■船橋 豪快一振り

○…今大会絶好調の城里常北のリードオフマン・船橋剛心(2年)が、この日も圧巻の打撃を見せた。反撃ののろしを上げる豪快な本塁打を放ち、「うれしいし、気持ちよかった」とはにかみながら振り返った。

初回に早速二塁打を放ち、さらに3点を追う五回の第3打席。先頭で打席に立つと、カウント1-1から「ライナーを飛ばす意識で打った」。内角寄りの直球にバットを一閃(いっせん)。「打った瞬間入ったと思った」との言葉通り、高々と舞い上がった打球は右翼芝生席の中段に飛び込んだ。

日頃は父との毎晩の自主練習を欠かさないといい、必ず1日約240球程度のティーバッティングに励むという。殊勲の強打者は「毎日の練習の成果が出た。お父さんに感謝したい」と少し照れながら語った。

■白石、走者一掃二塁打 岩間・稲田

○…岩間・稲田の8番、白石翔夢(ゆうむ)(稲田)が1年生と思えない鋭いバッティングを見せチームに勢いをもたらした。

チームは四回2死から相手投手の制球の乱れを突き押し出し四球で1点を挙げ、なお満塁の好機で左打席に立った。4球目。内角に入るスライダーを強振し「手応えがあった」という打球は右翼線への走者一掃の3点二塁打。二塁上で「よっしゃー」と心の中で叫んだ。

3点を追う七回は2死一、二塁の好機で回ってきたが一邪飛に打ち取られゲームセット。「悔しい」と唇をかんだ。

今大会、全5試合に先発出場した。新チームでは「今の3年生に負けない実力を付けたい」と前を向いた。

■城里常北・小林賢侑投手(3年) (3番手で最終回に登板し)自分が抑えるしかないという思いだった。最終回に逆転された県総体のことが少し頭に浮かんだが、その悔しさを球にぶつけた。

■岩間・稲田・木村志音主将(稲田3年) 諦めない気持ちで

最後まで諦めないと、みんなそういう気持ちでプレーした。3年生最後の試合で全力を出せた。高校に行っても野球を続けたい。

■岩間・稲田・岡野誠監督(34)=稲田 一試合一試合成長した

打ち合いになると思っていた。大量失点せず1、2点に抑えればチャンスがあった。一試合一試合成長したと大会を通して感じた。良く頑張ったと思う。

■阿見・杉野潤監督(36) 選手たちは頑張った

ここ(最終日)まで来たので、思い切り楽しくやろうと選手たちに伝えた。良く頑張ってくれたと思う。3年生もプレーでらしさを出してくれた。

■阿見・斉藤爽太主将(3年) 4強の壁を越えられた

相手にやりたい野球をやらせてしまった。優勝したかったが、4強の壁を越えることができたのでやり切った。後輩たちには自分たちを超えてほしい。

■下館南・松下和暉監督(24) 相手の方が一枚上手

変化球が多い投手に対して粘っていこうと話していたが、相手の方が一枚上手だった。3年生は最後まで頑張り抜いてくれて、感謝している。

■下館南・小島大輝投手(3年) 直球は走っていた

直球は走っていたが、甘く入った決め球を痛打されてしまい悔いが残る。ただ、4強まで来られてうれしいし、エースとしての役割は果たせたと思う。




【PR】私が触れた「マジック」-木内幸男さんをしのんで (電子書籍)

最近の記事

茨城の求人情報

全国・世界のニュース