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茨城県、堤防高不足を報告 牛久沼越水対策検討委 水門工事の影響解明へ 龍ケ崎で初会合

牛久沼越水対策検討委員会の初会合=龍ケ崎市馴柴町の県竜ケ崎工事事務所
牛久沼越水対策検討委員会の初会合=龍ケ崎市馴柴町の県竜ケ崎工事事務所


台風2号や梅雨前線の影響による大雨で住宅や水田の浸水を招いた牛久沼(谷田川)の越水で、茨城県は7日、有識者らが原因調査や今後の対策検討を行う「牛久沼越水対策検討委員会」の初会合を同県龍ケ崎市内で開いた。県は一部堤防の高さが、牛久沼で想定される最高水位より低く、不足していたことを報告したほか、当時の被害状況や検証方法などを説明した。

越水発生は龍ケ崎市と同県つくば市の計3カ所で、床上浸水2件、床下浸水20件が発生。また両市と同県つくばみらい市の3市にまたがり、水田計約200ヘクタールが水に漬かる被害も出た。

検討委で県は、龍ケ崎市内の越水箇所を含む6地点の堤防が、牛久沼で想定される最高水位より30センチ前後低かったことを報告。暫定対策として土のうの積み上げを行っているとし、今後も沼全域の堤防高の調査を進めるとした。

越水の検証は、当時の雨量や水位のデータなどを用いて、水門工事を実施していなかった場合の水位を計算し、工事との因果関係を解明する調査の方向性を示した。終了後、武若委員長は「シミュレーションの結果が妥当か判定し、妥当なら今後の対策を議論していく」と述べた。

越水を巡っては地域住民や農家から「県などが管理する下流の八間堰(はっけんぜき)(龍ケ崎市)の水門工事が影響した」と指摘する声が上がっている。県は大雨当時、改修工事中で、水をせき止める矢板を設置。大雨対策で、堰を迂回(うかい)して下流に流す仮の排水路を設けるなどし、排水できる最大の流量を2014~18年の沼の最大水位から勘案していた。

検討委は筑波大大学院システム情報系の武若聡教授を委員長に、有識者計4人で構成する。この日はオブザーバーとして流域自治体の関係者が出席。冒頭以外は非公開とされた。

今後は10月中の第2回会合で越水被害の発生要因、11月中の第3回会合で越水防止対策をまとめる予定。



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