研究の最先端触れる 茨城・つくばで中高生 講義や実験、発表も

中高生が茨城県つくば市内の研究機関を訪れ、学んだことを発表するイベント「サイエンスキャスティング」が8、9の両日、同市竹園のつくば国際会議場を拠点に開かれた。県内外から参加した中高生約40人が、低温度下で金属などの電気抵抗がゼロになる「超電導」や、遺伝子導入により「光るシルク」を生産する養蚕技術など、最先端研究の一端に触れた。
イベントは同会議場が主催し今回で11回目。コロナ禍の影響で2019年以来、4年ぶりに開かれた。
初日は、研究テーマ別に分かれた数人一組のグループが、産業技術総合研究所(産総研)や農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)など、八つの研究機関をそれぞれ訪問。研究者から直接講義を受けた。
産総研で超電導の仕組みを学んだグループは、超電導体が磁石に反発して浮く「磁気浮上」の実験を行った。つくば秀英高2年、岡龍汰さん(16)は「超電導を身近に感じられて楽しい」と笑顔を見せた。
2日目は、参加者がグループごとに訪問先の研究内容をまとめ、会議場で発表。表彰も行われ、農研機構の研究について「カイコが与える、産業への希望」と題し発表したグループが最優秀賞に輝いた。
メンバーの一人、西武学園文理高2年、井ケ田和駿さん(16)=埼玉県入間市=は「研究所で習ったことや実験は社会的意義があり、大変貴重な経験ができた」と感想を話した。