茨城県牛久市長選立候補者の横顔(届け出順)
茨城県牛久市長選は3日告示され、いずれも新人で、無所属の沼田和利氏(46)、維新の坂野美紗子氏(42)、無所属の横田清泰氏(53)、無所属の赤須理世自氏(61)が立候補した。4人の横顔を紹介する。
■沼田和利(ぬまたかずとし)氏(46) 元県議 無新 交流人口の拡大が鍵
牛久市で生まれ育ち「土地、歴史、人を十分理解している」と自負する。出馬について周囲の議員や首長らに相談すると、背中を押され励まされた。1週間悩んだ末「私しかいないという思い」で決意した。
政治を学ぶきっかけとなったのは、市議を3期務めた父親。政党の会合に代理で出席する中、同年代の仲間たちが地方議会で当選する姿を目の当たりにした。2011年の統一地方選で市議初当選。18年から県議を2期4年半務めた。
コロナ後を見据えた市の観光は「交流人口の拡大が一つの鍵」と指摘する。日本遺産「牛久シャトー」の活用やPRを目指して「市民が復活したと思うような結果を出さないといけない」と意欲を見せる。
運転免許証を返納する高齢者の移動手段を確保するため、市営の乗り合いタクシーは「根本的な見直しが急務」と話す。若い世代の多いひたち野地域にも気を配り「これまで以上に子育てしやすい環境の充実を図る」と力を込めた。
愛犬3匹について「手がかかる。それがかわいい」と目を細める。妻と娘2人との4人暮らし。岡見町。
■坂野美紗子(さかのみさこ)氏(42) 翻訳業 維新 しがらみない政治を
地方議会の現職議員との出会いをきっかけに、政治に関心を持った。政策実現に懸ける情熱に触れ「自分も直接政治に携わりたい」と感じた。学生時代につくば市を訪れ、近隣の牛久市にも好印象を抱いていたことから「残りの人生を牛久のまちづくりに役立てたい」と意気込む。
大学卒業後の20年間、都内で翻訳業や飲食店経営に従事した。政治家を志してからは、今年4月の統一地方選で行われた北区議選には地域政党から出馬した。7月下旬に牛久市に移住。維新党本部の公認を受け、党の県議や市議らとともに浸透を図っている。
市の魅力を広めるため「外部からシティプロモーションを担う職員を採用する」と明言。牛久シャトーや牛久大仏などの観光資源を活性化させる新商品の開発や、補助金の積極的な利用を挙げた。
他の候補者とは「しがらみがないのが一番の違い」と強調する。「誰もが暮らしやすさを感じるまちにしたい」と空き家問題の解消や、ひとり親家庭の支援を掲げる。
趣味は国際交流。1人暮らし。田宮町。
■横田清泰(よこたきよやす)氏(53) 元経産省職員 無新 明るい未来子どもに
経済産業省に約30年間勤め、産業技術総合研究所や内閣府、栃木県益子町への出向を経験。そこで得た行政経験を一番の強みと自負する。「陣頭指揮を執ってプレゼンテーションする市長を目指す」と意気込む。
つくば市などの周辺自治体に人口が流出している状況に危機感を示す。減少傾向が長期的に続くと指摘し「子どもたちに明るい未来を託すため、このタイミングで牛久を変えなければ」と力を込めた。
日本遺産のワイン醸造施設「牛久シャトー」には体験型リゾート施設を整備する考え。「民間主導でプロデュースをお願いしたい」と話した。
運転免許を返納した高齢者を中心に需要増が見込まれる市の乗り合いタクシー「うしタク」については、阿見町の東京医大茨城医療センターなどに向かうルートを設けて「利便性向上を図りたい」と提案。学校給食費の無償化、グローバル化に対応するためのインターナショナル・スクールやベンチャー企業の誘致にも意欲を見せる。
趣味はドライブと映画鑑賞。妻と娘との3人暮らし。牛久町。
■赤須理世自(あかすりよじ)氏(61) 元県職員 無新 温かいまちアピール
昨年12月の県議選、今年4月の市議選に続いて立候補した。市長選への出馬を決心した理由は「自分は普通の牛久市民だから」。一市民として「牛久をよくしたいという気持ちが強かった」と胸中を明かす。
選挙運動に付きものであるポスターやチラシの制作、街頭演説はしない。独自の戦略について「お金をかけずに政治家になれると示したい」と話す。
市の将来像に「国際観光都市USHIKU」を掲げる。風評被害を防いで国際化を進めるために、東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出に一貫して反対している。「明言しているのは候補者で私だけ」と胸を張る。市民が環境問題に関心が高いとの姿勢を示すことで「イメージアップにつながり、観光客は増加する」と見据える。
市の玄関口でJR牛久駅に直結する商業ビル「エスカード牛久」については、高齢者の憩いの場を整備するため「再生委員会をつくって考えていく。温かいまち、牛久をアピールしたい」と力を込めた。
趣味は家庭菜園とボランティア。妻、義理の息子家族との5人暮らし。田宮。